日刊せみなりーBLOG

せたな町に思う

更新日:2019/01/31

スロウという雑誌を
ご存知だろうか。

帯広の
ソーゴー印刷(株)が出している雑誌で、

北海道を中心に
読ませて見せる魅力派雑誌なのだが、

その市町村版が
チビスロウとして

しばらく前から
発売していた。

が、
あまり手に取るチャンスがなかったが、

先日、
網走に行く途中で

コンビニで目にし、
初めて買ってみた。

今回はせたな町のものだった。

この、
ものだった。という表現も変だが、

チビスロウの発行元は
それぞれの市町村なのだ。

町のピーアール雑誌を
プロが作っている、という感じか。

どれどれと手に取ると、
我が家が卵を買っているモリガキ農園も

載っていた。

せたな町には
行ったことがない。

看護学校時代、
仲の良かったクラスメートが

せたな町出身で
名前だけは知っていたが、

檜山地方は
あまり通らず、

興味はあったが
行ったことはなかった。

読んでみてびっくりしたのが、
卵のみならず、

農業酪農漁業と
燃えて事業展開をされている、

老若男女が多くおられることだ。
若い人が多いのは、

今の北海道の傾向だからわかるのだが、
けして若くはない男性漁師さんが、

『どうして自分で獲った物に
自分で値段をつけることができないのか』

という疑問を
20代の時にもち、

漁に出る
加工する
消費者に届ける

を一貫した事業にし、
マーレ旭丸という店まで作ってしまったのだ。

知らなかった。

私のイメージでは
漁師さんは、

漁を事業化して考えず、
宵越しの金は持たない的な感じなのか

と思っていたが、
全くの思い込み、

ごめんなさい。だ。

すごいなあ
と、読みながら感心をした。

思わず、
こちらのいかの沖漬けを

食べたくなった。

養豚も養鶏も
自然農法に近いようだ。

豚肉も是非食べてみたいが、
そのほとんどが

レストランに卸されるそうだ。

面白いのは、
その考え方で、

『根底にある自然のまま育てるという考え方は、
結果的に生命力が強い豚が育つということは、

弱いものが淘汰される意味もある』
というものだ。

モリガキ農園もそうだけど、
命を頂くことと

その厳しさも受け止め、
地域の子どもたちにも

それを丸まんま教えている。

せたなのチビスロウを読んでいると、
登場してくる方々の、

強さと、
『しなやかさ』を感じる。

スロウという雑誌の
クオリティーの高さは知っていたが、

チビスロウは
地域が決まる分、

中身が余計に
凝縮されている気がした。

それにしても、
チビスロウを出そうと決めたせたな町は

地味な町だけど、
力持ちの街なのだなあ、

と、
改めて感動である。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみ

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