日刊せみなりーBLOG

マチを歩いて

更新日:2019/06/09

マチを歩くのが好きだ。
それは大昔からで、

札幌は碁盤の目なので、
こー行ってあー行って、

みたいな感じで
道を変えながら、

目的地まで
歩いた。

道すがら
家を見たり、

人を見たり
景色を見たり

歩くだけで面白かった。
それは今でも同じで、

64年住んでいる札幌でも
飽きずに歩く。

前回はここを歩いたから、
今日はこの道を行ってみよう。

みたいな感じか。
でも、

これがまずいこともある。
札幌は間違いなく目的地に行き着くが、

道に迷い込むのは、
森だけではない。

昨日は、
小樽のマチを歩いたが、

一人の時は
周りを見て、

迷い込まないようにする。
小樽は都市計画とは無縁な街で、

それが
小樽の魅力をつくっているからだ。

おまけに、
小樽の道は立体的迷い道。

平面では語れないので、
あれ?

さっき下ったのに、
なんで山?

みたいになる。
なので、

私が
小樽に関わってきたここ7年間は、

NPO仲間の車に乗り
案内をして貰っていた。

のだが、
それでは小樽にマチはわからない!

と、
一人歩きをしてみることにしたら、

無理!
時間制限がある日は、

絶対無理!
と気がつき、

結局、
昨日も最後は、

小樽の仲間に案内をしてもらい、

相生、東雲、緑、富岡を
散策した。

雪が積もる街とは思えないほどの
山坂と細い道だが、

その景色と町並みは
想像以上の感動もので

今、
小樽の土地建物が

密かに人気なのが
よくわかる。

そして、

都市計画がなされなかったけれど、
その時代時代で、

考えて作られた街なのだとも
わかるのだ。

先日、
小樽で、

小樽100年プロジェクトセミナー
を聞いた。

その中で、

神戸芸術工科大学教授
西村先生が、

これからは
民と公が融合しながら街を

緩やかに作る。
というお話をされていた。

対立の時代が終わり、
公と民が

お互いの意見や知恵を出し合って、
街をつくっていくというものだった。

例として上がったのは、
八女市福島のだった。

残すべき地域と
市民のために暮らしやすくする地域と

分けながら
まちづくりをしていた。

思うに、
高度経済成長期には、

公の財政も豊かで、
あーせいこーせいの民の声も

どうにかできるが、
成熟期経済は、

何を優先するかを決めたら、
あとは公と民が

知恵を出し合って
行動に移すしかないと思った。

マチを歩くと
そこで暮らす人々と歴史が見える。

札幌でも小樽でも
夕張でも岩見沢でも、

それは一緒だ。
と、考えると、

うちの商売も
面白いなあ。なんて感じている。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみでした。

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