日刊せみなりーBLOG

神事は

更新日:2019/11/10

神主さんのお祓いにも
色々あるけれど、

本日始めて、
取り壊しの儀なるお祓いを

経験した。
うちの実家の取り壊しの儀。

である。
住む人がいなくなり、

たった3年で
ガタがきた実家だった。

母も姉も
取り壊しの儀には参列できず、

夫と三女が
付き合ってくれた。

私は神主の孫だけれど、
まっこともって何も分からず、

神主さんに教えて貰い
準備をした。

基本的には
祀りごとのお供えは同じだが、

お魚もお餅も
小さめで良いようだった。

ただし、
お米、お塩、お酒、お水は

神事には欠かせないらしい。

朝、
生協に行って魚や果物、野菜お菓子を

買った。
魚屋に行くと、

魚ヘンに神と書かれた魚があった。

『なんと読むんですか』と聞くと、
『ハタハタです』

と、
魚屋さんが教えてくれた。

ハタハタかあ。
おばあちゃんが好きだったなあ、

と思い出した。
自分は好きじゃあないけれど、

神様が付いているようだし、
おばあちゃんの好物というのに惹かれて

三尾買った。
お菓子は、

ちょうど売っていた石川県の
お菓子にした。

父の両親、
私の祖父母は二人とも

石川県能登の穴水の神社で
生まれたそうだ。

祖父母ともに
神社の血を引く。

なんとなく、
家を壊すとなると

そんなことも気になった。
お酒はちょっと奮発して、

新潟県の鶴齢というのを
買った。

時間になり
実家に神主さんが来られた。

大きな神棚があった部屋が
荷物置き場になってしまい、

急遽お祓いは
父の書斎だった部屋で行った。

父の机は夫が使っているので、
あったのは昔の父の机だが、

お供え物をたくさん乗せるには
ちょうど良い大きさだった。

神主さんは
神棚持参で来てくださった。

祝詞が始まると
神主さんは、

うおーと声を響かせた。
神様を呼び寄せるのだそうだ。

そして、
長い祝詞が始まったが、

祝詞の面白さは、
話のように中身がわかることだ。

どうも
取り壊しの際の

働く皆さんの
安全も祈願しているようだ。

良かった!

祝詞が終わると
夫が気を使ってくれて、

私、夫、娘の順でお参りをした。
私は次女だが、

母や姉の代理のようなものだった。

神主さんの取り壊しの儀が終わると
神主さんが言った。

『お水とお酒とお米と塩を
土地の四隅、家の四隅に撒いてきてください』

私は米と塩を、
夫がお酒、娘が水を持った。

実家は、
三軒の集合住宅形式だったので、

両親の家、叔母の家、姉の家の
それぞれ四隅を回った。

家はすでに
やっと持っているようだった。

最後に、
土地の四隅を回った。

全てに撒き終わると、
なんだかホッとした。

神事を省く方々もおられるけれど、
心のけじめにもなる気がした。

さて、
明日から取り壊しが始まる。

長い間、
ありがとう。

最後に亡くなった父と向き合えたようで
嬉しかった。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみでした。

記事一覧