日刊せみなりーBLOG

実家を取り壊すと言うこと

更新日:2020/08/20

去年の秋、
誰も住まなくなった実家の敷地を

会社が買い取って
くれることになった。

私の父が
会社の創業者だから、

亡くなった父の土地が、
父が作り今は、

夫が社長の会社が買う。
なんら問題はない。

というか、
普通じゃん!

なのだが、
私はどーも、

それを中々、
受け入れられなかったらしく、

残置物処理から
家の取り壊しまで、

あーだのこーだの
精神状態が芳しくなく、

夫にたいそう迷惑をかけたが、
無事実家も取り壊され、

実家の後は
今は使いやすい社員の駐車場に

なっている。
使いやすいのは

社員ばかりではなく、
お客様も安心して

会社に来れる!と思うほど、
以前は使いにくい会社の敷地だったわけで、

まーみんな
幸せね!

であり、
私の心のグチュグチュも整理されて、

家ねっとのセミナーで
その顛末を話したりしていた。

のだが、
ただ一つ残った処理が、

母親の確定申告だった。
ちょうどコロナで自粛が始まり、

ホームにいる母にも会えなくなり、
役所から取り寄せていた書類の到着も、

遅れ気味になり、
気分的にも勢いがなくなって、

もう少し落ち着いてから。。
みたいになっていたのだが、

母にも会えるようになり、
お役所から書類も届いたので、

後は区役所に行って、
母の介護保険や後期高齢者医療の、

なんやかんやを
集めれば良いだけだった。

確定申告には
医療費控除も必要なのだが、

まさか
確定申告をするとは思わず、

介護保険や医療費の領収書は
捨ててしまっていたのだ。

が、
あー早くしないと
まずいよー

と、
私は自分に発破をかけるが、

それがたかが
区役所に行くだけなのに、

腰が重いのだ。
どーしたのかな。

そして、

今日行こうか、
やめた。

を繰り返しているうち、
NHKの受信料が、

年払いで
母の口座から引落されているのに、

気がついた。
母が実家を離れ、

テレビがなくなってから、
4年が経っている。

これはやばい。
受信料は高いのだ!

ただ捨てているようなもの!
で、

やっとお尻に火がついて、
まずは電話で確認しようと

区役所に電話をしたら、
3ー4箇所、

部署が変わったが
電話だけで

全てが済み
必要書類は

後日、
送られてくることになった。

なんだ、
さっさとすればよかった。

そして、
最後にNHKに電話をして、

契約を解除した。
残念ながら、

解除は
実家が売買された去年の秋から、

適応だった。
しかたないなー

と、
電話を切ろうとしたら、

NHKの方が、
『長い間、ご利用ありがとうございました』

と、言った。
その言葉を聞いた途端、

私の目から
涙が溢れた。

慌てて、
電話を切ったが、

嗚咽まで始まった。
で、

分かったのだ。
なんで、確定申告の準備に

腰が重かったのか。
これで、

本当に実家がなくなったことを、
認めることになるからだ。

なんと!
と、思ったが、

それほど、
私にとって実家は、

私を愛してくれた両親の
象徴だったのだ。

幸せな思い出ほど、
断捨離は難しい。

改めて、
父と母に感謝である。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役中野むつみでした。

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