社長ブログ:時にふれてBLOG

企業哲学を打ち出す

更新日:2022/11/29

今週は第75回目、184ページ「企業哲学を打ち出す」です。Koさんのローテーションで、読み合わせと感想を発表して頂きました。その感想は次の通りです。

いつも度々思いますが、日本人は仕事で頑張ると言われていますが、世界の動きに比べると良くない。残業ではなく、仕事に時間をかけず、品質も良くが求められる。根性論ではなく、残業しないと駄目な感覚ではなく、働く意義がわかるようにしなければならない。」、私のコメントは

「あと十年もすれば(1989年刊行、33年前)、豊かな時代に育った世代が企業でも中心を占め、個人主義が台頭してくるでしょう。…個人主義の行き過ぎによる、仕事を愛する心の消失から…日本の各企業も衰退の道をたどっていくに違いありません」、「若い社員に対して、働く意義、生きがいとなる企業哲学を打ち出し、共感を得るように努力しなければ…」と書かれています。

稲盛和夫OFFICIAL SITEで「盛和塾ハワイ開塾式(2010年1月20日)」要旨として次のように書かれています。『京セラフィロソフィには、三つの要素があります。まずは、「会社経営の規範となるべきルール、または約束事」ということです。私が考える経営哲学とは、まさに「人間として何が正しいのか」という問いに対する解であり、突き詰めれば、「正直であれ」「人を騙すな」「ウソを言うな」といった、子供の頃に親や先生から教わったプリミティブな道徳観、倫理観のことです。京セラは、このプリミティブな判断基準に従ってきたからこそ、創業以来半世紀にわたり経営の舵取りを誤ることがなかったのです。

二番目に、京セラフィロソフィには会社の目的、会社の目標、つまりこの会社をどういう会社にしていくのかということが明確に示されています。峻険な山に登るためには厳しいトレーニングや装備が必要なように、高い目標を実現するには、それに相応しい考え方と方法論が必要となります。ストイックで生真面目な生き方を説く京セラフィロソフィこそが、京セラが目指す高い山に相応しい準備であり、装備だったのです。

三番目に、京セラフィロソフィには企業にすばらしい人格を与えるための考え方と方法がまとめられています。企業経営を行う際には、とりわけ「人を治める」ことが重要になります。人を治めるには、権力で押さえつける「覇道」と仁、義などの「徳」で治める「王道」とがあります。私は、やはり人間性、人間の徳をもって相手の信頼と尊敬を勝ち取り、人を治めていかなければならないと思っています。

では、どうすれば相手を信頼せしめ、尊敬せしめることができるのか。それは、すばらしい社格です。「高邁な哲学に裏打ちされたすばらしい社格の会社の社員は、さすが信頼と尊敬に値する。だから我々は彼らの言うことを聞かなければならない」と、海外の従業員をして言わしめる。そのためにこそ、企業にすばらしい社格を与え、従業員にすばらしい人格を与える、世界に普遍的に通じる高邁な哲学が必要となるのです。』と説明しています。

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