日刊せみなりーBLOG
旭川旧岡田邸より
更新日:2010/04/30
『すごく素敵な室内で、照明も凝っていてびっくりしました。』
4月26日から三日間、旭川の旧岡田邸の建物調査を行った。
『こんな素晴らしい建物を見る機会は少ないから、技術者以外でも見学に行ってね』
で、新人Tさんも一日だけ参加したのだ。
旧岡田邸は、北の誉の創設者の邸宅で昭和8年に建てられた豪邸。
この度、その再生を前に、当社で図面作成から劣化状態調査までを行ったのだ。
本当のお金持ちは見えないところにお金を使うと聞くが、この旧岡田邸はその代表作。
何が立派って、基礎、基礎がすごい!
昭和8年にこんなコンクリートがあったのか!という布基礎の上に、
ななんだ~という土台が、三段重ねで乗っている。
その土台から床板までは、塗り壁・・床下なのに塗り壁だ。
床下部分の柱には、油紙が巻かれ腐食を防いでいる。
いやはや、どれほど基礎部分だけでお金がかかったのかしらん?
と、由緒正しき庶民の私は想像も出来ない。
もちろん、基礎だけが立派なのではない。
床の間の障子の桟の中央には扇子を模った桟があり、
二階の天井には細かな細工が施された小さな天窓がいくつもあった。
半円に庭に張り出された居間の窓ガラスには銅が入り、日光が当たると色を変える。
玄関ロビーの吹き抜け部分には、二階まで続く細い羽目殺し窓が二本、
天をつくように伸びている。
そこから入る西日は、まるでアメリカ映画の天国見たいにロビーを照らす。
和と洋が絶妙に組み合わされ、昔々の夢の世界に自分がいるようだ。
『この世界をそのままに、安全性と暖かさを得られないの?』
と、メタボ諦めH常務に聞いた見た。
『開口部の大きさゆえの問題は、どうにかなりますね。断熱をどうするか、
知恵の見せ所か・・・』
私は、このロマンティックな雰囲気のままで、あったかいレストランがいいな~
BARもいいな~。
“雪国”“サイドカー”“XYZ”・・・カクテルの色が目に浮かぶ・・
気分は伯爵令嬢か・・・・誰と行こう・・・・・・