日刊せみなりーBLOG
町並み・・
更新日:2010/08/19
7月の末、久しぶりに根室に行ってきた。
根室は2回目、前回行ったのは5~6年前だったと思う。
今回は根室振興局のご好意で飛行機で行った。それでもやっぱり遠かったが・・
前回、始めて根室に行った時、
『ラガーマンM君、この町は不思議な綺麗さがあるね、きっと裕福な町だよ』
『どうしてですか?』
『だって、華美ではないけど家のつくりがいいもの、外壁がモルタルのものが多いし、
それがちゃんと手入れされているわ・・・
庭も綺麗だし、どの家にも落ち着きがあるみたい・・』
こんな会話を同伴社員達とした。
今時の家は、外壁はサイディングが多い。
手入れがモルタルより楽だし、安価だから・・・
もっとも、サイディングも10年に一回位は塗装をかけないと剥げてくる。
家の手入れにお金を掛けるのは中々億劫な事。
でも、それをしないと家の財産価値はどんどん下がる。
わかってはいるが、それを出来ているうちは少ないと思うのだが・・・
根室の人たちは計画的に“家”の財産価値を、普通に守っているようだ。
根室は北海道の外れの漁師町・・
この不況化でさぞや大変!と思って行ったが、少し違っていた。
漁師町ではあるが、加工が盛んな町でもあった。
北海道の外れに位置するが、商売は本州、ロシア、中国を対象とすることが多いらしい。
今回は北海道中小企業家同友会根室支部の皆さんと交流もしたが、
『根室は陸だけど、島みたいなもの・・
札幌行くより本州に船で商品を送った方がいいからね、
外貨を稼ぎ、街の中でお金を回す・・外の街とは少し違うかも知れない・・』
と、元気のいい会員さんたちの話だ。
魚を入れる木箱の製造をされている社長さんは、
『関西から南は生魚より塩付けを好むから木箱を重宝がるんだよ』
へ~~~なるほど・・・
根室はポツリと離れている分、独自の文化を作った様だ。
『魚を加工して出すから、漁師町の文化より第二次産業の文化が、
残っているように思います。きちんと貯蓄をして家も直しながら長く使う。
財産価値として家を意識しているから、
モルタルの重厚な家をつくり手入れをするのではないでしょうか』
てな事を私が言ったら、
『そうかな、ずーと、ここで育っているから気が付かないけど・・』
高岡支部長がおっしゃた。
確かに、根室の貯蓄額は全道でもトップクラスらしい。
その町の町並みを見ていると、その町の暮らし方や経済状態、
大切にしているものが見えてくる。
『でも、根室も近頃は低所得者が増えてきて格差が広まっていると思うわ』
二次会で行ったスナックのママさんが言っていた。
根室にも少し遅れて不況の嵐がやってきているようだ。
でも、あの根室の皆さんが持っている、
生き延びる強かさと知性、賢さを持ってすれば、
きっと一番早くこの不況から抜け出すだろう。
北海道の東の外れにポツンと位置する根室、
その綺麗で品の良い街並みがそれを保証しているように思う。