『はい、補償セミナリーです。』

『あれ？むつみさん？早や打ちKちゃんはいないの？』

電話をかけてきた旭川支店のシャイなOさんは、むつみさんが電話に出てご不満か。

『はい、補償セミナリーです。』

『あれ？むつみさん？早や打ちKちゃんはいないの？』

むむむ、今度は栗山出張所の明るく優しいIさんだ。

いつの間にか、“早や打ちKちゃん”の居場所がしっかり定まって来たようだ。

早や打ちKちゃんは、今年入社した新人。

全てが初めての事ばかりで右往左往していた4月から8ヶ月がたった。

早や打ちKちゃんの机には電話の受け答えの仕方がメモで置いてある。

『はい、メタボ諦めH常務は只今出かけておりまして・・・』

仕事の内容が分からないまま電話に出るのは、さぞや恐ろしかったと思われる。

でも、今はそのメモを見ることはない。

『早や打ちKちゃん、これをやって・・』

初めは、一つずつ指示を受けて仕事をしていたが、

今はた～くさん担当が決まり、自分で計画を立てて仕事をする。

『ねえ～仕事の横入りをしてもいい？』

『はい、大丈夫です。』

うちの会社の事務部門は管理部門と名称を改めた。

経理総務などの一般事務から入札関係の書類作成、長期優良住宅の適合書類作成、建物調査等の契約書類作成、エコポイント受け入れ、個人間売買瑕疵保証制度（中古住宅を買う前に当社が検査してOKならば保険がつく）書類作成、補償部門の写真整理から報告書チェック・・etc.

チェックマンA子さんをリーダーに、文章マシーンA子さん、そして早や打ちKちゃんの3人で、他の職員のバックアップを全面的に行っている。

そんな難しい仕事を早や打ちKちゃんは、地道にたんたんと覚えている。

おまけに個性的な職員ばかりで、さぞや大変なことでしょう。

『次はこれも覚えないとね』

かなり難しい書類を見て、

『到底出来るようになるとは思えない・・』なんて、引きつっているけれど、大丈夫！

あなたなら、絶対出来る！

若い力はぐんぐん伸びる・・おおきくな～れ太くなれ！

来年の今頃が楽しみだ～