日刊せみなりーBLOG

新分野デビュー?・・

更新日:2010/11/17

うちの会社は技術者が2チームに分かれて仕事をしている。

“補償チーム”はお役所から仕事を頂き、

建物から始まって対象となる方の全ての財産を調べる。

“技術チーム”はお役所民間関係なく、建物などの状態・困っている原因等を

調べる。

そのため、補償チームは時として、山の木なども調査する。

『崖から落ちそうだった!』『熊の糞を毎日見た!』

なんてこともあるのだが・・

技術チームの仕事が少ない時は合流して仕事もしたが、

今は中々そのチャンスは無くなっていた。・・が・・

『ええ!現場が重なってうまく人員配置が出来ないの~』

『綺麗好きN君!土曜日の山の調査を手伝ってくれない?』

主任技術者の綺麗好きN君に応援を頼む事になった。

綺麗好きN君は、室蘭工業大学を卒業後五洋建設に就職し、

その後自分を生かせる仕事がしたいと当社に就職した1級建築士・・36歳の青年だ。

その経歴上、建物に関する調査には“補償チーム”でも参加しているが、

山の木の調査に“おねが~い”はあんまりしないのだが・・。

『いいですよ~』 『ありがとう~』

 

その山の調査は、急傾斜地・・

調査区域の目印となる杭は5年前に打たれている為殆ど見えず・・

(杭は地面から数センチ出されるように打ち込まれ、その横に“ここに杭があります・・”と長い杭が軽く打たれる。よく目にする細長い杭の上に赤や黄色の線が塗ってあるものが、それだ。)

目の前は、2メートルも伸びた笹だらけ、この中から地中から数センチ出た杭を捜すのは・・・

『始まりはここいらでしょう、兎に角川に沿って上がりましょう』

ラガーマンM君、綺麗好きN君、モゴモゴN社長はその杭を探すチーム。

チェックマンA子さん、ビベロYちゃん、早や打ちKちゃん、むつみさんの女性達は木の調査チーム。

『少しでも調査地区がわかったところから、調査を始めるよ~』

よっしゃ~の掛け声と共に、杭チームは枯葉が雨で濡れ石がその下にゴロゴロある急傾斜地を駆け上がった。

『そこら辺だと思うが杭はないか~』

・・モゴモゴN社長のモゴモゴが山に吸い込まれる。

『モゴモゴN社長、違います!もっと右だと思う!』

・・ラガーマンM君の高い声が山にこだまする。

『綺麗好きNさ~ん・・』

綺麗好きN君の低い声は、私達には聞こえない。

大丈夫かしら・・綺麗好きN君・・・

昼休み・・『すんんげえ~綺麗好きNさん、この山をスイスイ登るんですよ~もう、山の調査には欠かせない!』

ラガーマンM君もびっくりだ。

杭が見つかると杭から杭まで細い紐を引き、調査区域を決定するから杭が見つかったら次の杭までその急傾斜地を笹を抜けながら歩かなければならない。

いやはや、綺麗好きN君は静かにスイスイと息も切らさず・・・

はたや、昔は、山!ならば任せておけと意気高く叫んでいたモゴモゴN社長は『最後の急傾斜は死にそうだった・・なんで俺なんだ』と息絶え絶え・・

そして、ラガーマンM君は何度も転びながらも、3人で15000㎡の地域を縦横数箇所に分ける線を引いたのでありました。

『こんな笹の中で、数十箇所の杭を見つけられたのは奇跡だ!』

ラガーマンM君は誇らしげに、綺麗好きN君は静かに、モゴモゴN社長は肩で息をしながら、三人は笑っていました。

 

仕事はとっても大変だったけど、みんなで力を合わせると、楽しいんだな~

綺麗好きN君、来年からは山の調査もよろしく!

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