日刊せみなりーBLOG

感性・・・

更新日:2010/12/08

旭川の健誠社(クリーニング)では、現在素敵なクリーニングを展開している。

それは“高齢者施設入居者の洗濯お引きうけします。”

高齢者施設入居者の下着衣服の洗濯は、多くはその施設の介護者や補助者が行っているが、健誠社がアウトソーシングする事により介護者がよりケアーに時間を割くことが出来、また経済的にも施設で行うより安価だと言う。

『でも、経済的だという説明では中々ご利用頂けなかったのです。

色々施設の方と話をしている内に気付いたことがありました。

介護者が一番気にされていることは経済性ではないということ。

介護を受ける方たちにとって何が一番いいかだったのです。

僕はその時いつも気になって居た事をやってみることにしました。

僕は入居者の方の服や下着にまるで子どものように名前を書くことに抵抗感がありました。どうにかして、名前を書かなくても家庭のように洗濯できる方法はないかと研究し、

現在当社でお引き受けする洗濯物には名前を書いて頂いておりません。

これは各施設から大きなご支持を頂き 現在利用施設が拡大しています。』

凄いと思った。

実はむつみさんも、大人の下着等に名前を書くことに何かしらの抵抗感があったのだ。

瀧野常務はまだ、30代中頃の青年だ。

『よくそんなデリケートな事に気がついたね。これは凄い!』

もうひとつ嬉しかったのは、そこに価値を感じられた施設の職員が一杯いるという事。

心がほんわかするビジネスのあり方だった。

 

もう結構昔になるが、有珠山が爆発した後被災者の救済政策の一環としての仕事を請けたことがあった。

漸く、一般人が被災地に入ることが許された時期であり現場は被災した当時のままだった。

家の中には土砂が腰位まで入り込みぐちゃぐちゃの状態だったが、台所も居間も寝室も、ついさっきまで人が生活していたままになっていた。

子ども達の学用品、人形、おもちゃが泥にまみれ飛び散っていた。

『ひでぇ~・・・・・』

まだ若く遊び盛りだったカッコマンH君が呟いた。

いつもとは勝手の違う建物調査だったが、調査時間が辛く感じる現場だった。

 

うちの会社が調べる建物は人が生きて生活している建物だ。

被災地の建物を調べながら、被災された方たちの辛さを感じたからといって調査結果に変わりはないが、何も感じないようなら建物調査をする資格はないと思う。

だから、若くてカッコマンのカッコマンH君が心から辛そうに感じてくれたのがとても嬉しかった。

その感性が良い仕事を作る・・

健誠社に負けない感性があると自負している。

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