真冬に山の調査をすることになった。

『むつみさん、頑張ってください～』

この仕事を“やろう！”と決めた時、
メタボ諦めH常務が目を泳がせながら言った。

今年度を最後に山の調査から引退予定のむつみさん、
まさかこの時期に・・山に入るとは思ってもいなかった。

『大丈夫ですよ、熊は冬眠中ですから・・・・』
メタボ諦めH常務が明るく言った。

今流行の漫画に“ドリトル先生”というのがある。
旬君が主役の獣医役で出演したテレビドラマにもなった。

ドラマを見てからは、マンガを読んでも絵が旬君に見えるから不思議・・
美形は好きだ、ふふ。

今月号はピッタンコの熊の話しだった。
『熊は冬眠はしない！』
えええええええ！！！！！！うそ～

『冬眠とは低体温で仮死状態、だから起きないが・・
熊はただ寝ているだけ、だから　うるさくすると起きるのだ！』

が～～～～～～ん・・・・・ショック・・

『ラガーマンM君、熊はただ寝ているだけなんだって・・・どうしよう・・』
『大丈夫ですって・・でも、今度は熊の鈴・・やめますか？静かにして・・』

この山の調査、秋に行った厚真町だ。
毎日熊の糞を見ながら、調査した場所・・あの熊さんは今はどうしているのかしら？

ミズナラの木が一杯あったけど、どんぐりはほとんど落ちていなかった。
（熊さんがお腹一杯食べたから落ちていなかったのかしら？）
（それとも、不作で実が生らなかったのかしら？）

これは重要だ・・・
満腹熟睡中の熊さんか・・・空腹不眠がちの熊さんか・・

『ねえ～熊さんって　何処で寝ているの？』
『木の下とかじゃあないのかな？』とメタボ諦めH常務。

『そしたら、木の調査だもの、
私が熊さんの上に乗っかって起こしちゃうかもしれないじゃあない？』

『大丈夫、目覚めは身体が機敏でないから・・ひひひひひ』

はあ？何、言ってんの？メタボ諦めH常務！

でも、それならば・・・
職員は、機敏で固めよう・・・むつみさんを守ってくれる人がいい・・
？？？？・・いない？？？？