『やばっ！長靴に穴が開いていたんだった！』
ビベロＹちゃんが叫んだ。

標茶町の牧場の調査・・・
調べるのはＤ型ハウスの牛舎、それに繋がる放牧場・・

放牧場の回りには木柵と電牧・・

朝9時、
『おはようございます～』

『チョッと待って、今、牛が出るから・・』
もう一つの牛舎から、牛達がのっそのっそと出てくる。

乳を搾っている牛達は牧草を食べに、
毎日牛舎からでて、牧草地までお散歩だ。

『わっ！こっち見てる～』
知らない人に興味を示し・・のそのそ・・

それでも、いつもの道を集団登校のように歩いているが・・・
『ハンパないおしっこですね。』

ビベロＹちゃんの目もビックり！だ。

牛達は、大量のおしっこをホースで流すが如くジャー、
大量のウンチをボトボトボト・・・

運悪く、雨が降っていたため、
泥・ウンチ・おしっこ・雨は牛達のたくさんの足で、

ぐちょぐちょぐちょ・・・・

初めはおっかなびっくりで牛に近寄っていたが、
恐ろしいのは牛も同じらしい。

牛舎に繋がる小さい放牧場の牛達は、
私達とは反対方向に逃げていく。

『ビベロＹちゃん、てこで手伝うよ～』
『むつみさん、この中に入れますか？』

私も牧柵の中へ・・・

ありゃ～、その中は、
外以上の泥！ウンチ！おしっこ！雨！

『あああああ～足が抜けないよ~』
『むつみさん、ここで転んだら最後ですよ～』

一歩歩けば、
長靴はくるぶしをはるかに越えて泥の中に・・・

泥の上にはおしっこと雨の水たまり・・・
『やややや！抜けた！』

56歳のおばさんと、22歳の麗しき姫は、
転ばぬように、おいっしょ！おいっしょ！おいっしょ！

いやはや・・仕事であれば・・
どんなところでも・・頑張れるものだ。

『一匹、人懐こいのがいて、背中べチョべチョです。』
牛も若くて可愛い女の子が好きらしい。

私には牛も寄ってこなかった。

『今日はここで終了しましょう！』
ﾘｰﾀﾞｰのラガーマンＭ君の声に・・・ほっ！だ。

一日目を終了し、
『あああ～～～長靴の穴から・・・・』

ビベロＹちゃんは逞しい～！

2日目・・・の朝、
『長靴・・どうする？』

『あ！いいもの見つけた！
モゴモゴＮ社長の長靴あった！』

かくて・・『俺の長靴、高かったんだぞ～』

のモゴモゴＮ社長の長靴は・・
見事、牧場調査の役にたった・・・のだ。

『なに！？あの長靴で・・入ったのか・・』

そうです、仕事・仕事です！

それにしても・・牧場の仕事は大変そうだった。

放牧場の中で足を取られて、おたおたしている私達は、
牧場主や牛から見たら・・滑稽だったろうな～

ちょっと・・・はずかしい・・