『むつみさん、この木なんですが・・』
早や打ちKちゃんが聞いてきた。

むつみさんが調査をしてきた木を、
早や打ちKちゃんが纏めてくれる。

詳しい話はさておき、

この調査、
地番毎に調査をするのだが・・

早や打ちKちゃんに見せられた、
むつみさんが調査をしたその調査表・・

『あれ？この地番おかしいわ・・』
調査表に書かれている地番が・・

【231】と【213】があるのだ。
それも入り乱れている。

慌てて、図面を確認したら、
やっぱりだ。

答えは【213】のみ・・

昔・・
先輩がよく間違えていた。

（まただわ・・・
なんで数字が逆転するのかしら）

なんて・・
思っていたが・・

あーーーーー

ついに・・・
むつみさんもその時が来た。

『ごめん、早や打ちKちゃん、
これ間違いだわ・・』

すでに取りまとめは、
ほぼ終了だったのに・・

やり直しだ。

優しい早や打ちKちゃん、
『大丈夫ですよ』

大丈夫なはずはないのに・・

あー申し訳ない。
きっと・・昔の私のように・・

（なんで・・間違えているのかしら・・）
と思っているのではないかしら・・

と思っているむつみさんだ。

どうして、歳を取ると・・
数字が逆転するのだろうか・・

あんなに気をつけていたのに
・・・・・

全くだ。

自分の歳を65歳とは、
けして書かないのに・・

あーーごめんね、
早や打ちKちゃん・・。