昔昔の大昔、
私は室蘭の看護学校に入学した。

室蘭は、
叔母が住んだ事があったり・・

その当時、
父が胆振支庁にいたりして・・

けして・・
初めての町ではなかったが、

『なんか・・・寂しいな～』
19歳の娘には、

（ここで・・青春か・・）
の気持ちだった。

が・・・
あっという間にルンルンランラン・・

サークル・サークルたまに勉強、
そしてサークル！

悔いなき3年間を過ごしたが・・

同じタイプの人が、
うちの会社にもいた・・・・。

旭川支店長シャイなO常務だ。

『どんなところに行っても、
楽しい事を捜すのさ～』

シャイなO常務は、道職員の間、
単身赴任で色々な町に行った。

『札幌から離れていても、
釣りが出来たり美味しいものがあったり・・』

そうだよな～・・
だから・・シャイなO常務から、

町のいい話しか聞いたことがない。

『室蘭だっていい町でしょう！』
確かに・・・

だから・・シャイなO常務は、
町の格付けや番付を言わない・・が・・

私は密かに、
（小樽が一番好きだったのではないかしら？）

と、思っている。

旭川から札幌に出張に来ても、
『今日は小樽に泊まる！』

あ・そうですか・・・

『小樽は、
観光客が行かない飲み屋がいい』

あ・そうですか・・・

はて・・
どこでも楽しみを探すシャイなO常務は、

小樽のどこで飲むんだろう・・・
何となく・・

小さな“縄のれん”が、
下がっているような店のような気がする。

もしかしたら、綺麗な女将さんが、
一人できりもりしているような気がする。

けして・・教えてくれないが・・・

ウキウキ顔で小樽に行く、
シャイなO常務・・・

むつみさんの想像力は、
逞しくなる一方だ・・・・・。