ホンワカH君はお弁当派だ。
愛妻Sちゃんが毎日持たせてくれるのだが・・

『今日のおかずのポテトサラダは、
娘のYが作ってくれたんです。』

『あら、いいわね』

『近頃残業がなくて、
Sより俺が早く帰るから、おれが夕食を作っていたんですが、

“いつもお父さんに夕食を作ってもらって悪いから”
って、Yがポテトサラダを作ってくれました。』

なんと！Yちゃん、凄い！

ホンワカH君の愛娘Yちゃんは、
新学期が来たら中学2年生になる。

共働きのホンワカH家、

まさか、
ホンワカH君が夕食を作れるとはビックリだが・・・

『本当にSちゃんは子育てが上手だね。
そんな事を思う子は少ないよ～』

『いやいや、俺が育てたんです。』

『いいえ、ホンワカH君が、
そんな子育てが出来るとは思えない。』

ビベロYちゃんも『同感！』

お父さんへの感謝の気持ちを素直に表現できるYちゃんは、
本当にいい子だ。

親は子どもにご飯を作ってもらうと、
めちゃくちゃ嬉しい。

その出来不出来の問題ではない。

私も、娘達が小学生の時、
母の日に初めて作ってもらった、

“キャベツサラダ”を今でも覚えている。
千切りとはいえないくらい太い千切りキャベツだったが、

涙が出るくらい美味しかった。

『この“料理を作る”が毎日続くといいんですけどね。』

ホンワカH君は、
照れくさそうに言っていたけど、

『何を言っているのよ～
その心が素敵なんじゃあない』

暫く会っていないYちゃんは、
きっと・・とても優しい中学生になったんだね。

なんだか・・
私がご飯を作ってもらったみたいに、

こころがほんわかした。