補償チームの仕事は、
お役所に指名されるところから始まる。

『帯広・室蘭・小樽の指名が入りました。
閲覧をお願いします～』

指名を受けると、
閲覧という作業が入る。

（どれどれ・・どんな仕事だい？
うちなら幾らで引き受けられるかしらん）

お役所によっては、
メールで閲覧できるところもあるが、

出向くところもある。

また、“補償”というニッチな仕事柄、
データーで閲覧・保存できず、

“設計書をコピー”するところも多い。

で、3日むつみさんは、
『帯広に行くわ』となった。

運転免許のないむつみさん、
朝のＪＲで帯広へ・・

（“スーパーとかち”だから、寝すぎることはない・・）
閲覧と営業だって、気を使うのだ。

帯広駅からお役所まで、徒歩20分・・
（まずは、お偉い方から御挨拶せねば・・）

これが、なんどやってもなれない“御挨拶”・・
『札幌の補償セミナリーです。

御指名を頂きありがとうございます。
今年度も宜しくお願致します。』

お役所のお偉い方々は、
立ち上がり丁寧に名刺を受け取って下さるのだが、

これがまた、
（私ごときに立ち上がってってくださって申し訳ない・・）

と、緊張・・

次ぎは、契約課と用地課に御挨拶し、ほっ！
さてさて・・次ぎは設計書のコピーだ。

『むつみさん、コピーが足りません』
と、過去に何度か早や打ちＫちゃんに注意されたむつみさん、

お役所の地下のコンビニで、
28枚のコピー・・

（よし！もれなくコピーだ）
（領収書をもらって・・あ・返却する設計書を忘れずに・・）
（コートを持って・・）

（そうだ・そうだ・もう一件ご挨拶があった）
（14時56分のおおぞらに乗れるわ～）

その、もう一件のご挨拶を終了し・・
やれやれ・・

で・・あれ・・何か・・忘れている・・気がする・・・
あ・・・・

設計書のコピーをコンビニに置いたままだ！

慌てて、役所の地下にあるコンビニへ・・
『あ・コピーですね』

優しいコンビニのお姉さんがニッコリした。
私の今日の一番の任務・・設計書のコピー・・

自信をなくした今年度仕事はじめだった。