室蘭に営業に行ったモゴモゴN社長が、
お土産を買ってきた。

富留屋のシュークリームだ。
私が子どもの時からあるお店。

今風の味ではないが、
なんとも、美味しいシュークリームで、

いくらでも食べられそうだ。
『いただきま～す』

まずは女性陣で頂く・・・
『本当に美味しいですね。家庭で作る味ですね』

短期助っ人Tさんも納得の味。

私は、室蘭の看護学校を卒業したが、
学生時代はシュークリームなんて高くて食べられなかったから、

お店の前はいつも素通りだった。
いつも行くのはパンの大黒屋さん、

買うのはパンの耳、
最初は、大袋10円で売ってくれていたが、

友人達が競ってかいだしたら値上げし、
「ええ～それなら、買わない・・」

いったい、
私は何を食べていたのだろうか・・

そうだ、
奮発してハンバーグ屋さんに行った事があった。

小公園の側、
いわゆる洋食屋さんでそこのハンバーグはまん丸だった。

めちゃくちゃジューシー・・
美味しかったな～

でも、高くて・・一度しか行けず、
（お金が出来たら・・食べに行きたい）と思った。

卒業し、室蘭に行く事もなく時が過ぎたが、
20年後、

うちの会社に入り、
出張で久しぶりに室蘭に行ったとき、

『あの洋食屋さんでハンバーグを食べよう！』
と捜したが既になく、

もの凄くがっかりした。

今でも、
私の中では最高のハンバーグだ。

私は室蘭で、
力いっぱい青春を謳歌した。

食べられなかったシュークリームも、
ストーブで焼いたパンの耳も、

一度だけ食べたハンバーグも、
思い出すだけでも顔がほころぶ御馳走だ。