『旭川のホテルは実習で泊まったホテルでしたよ～』
旭川から帰ってきたビベロYちゃんが言った。

『そうなの？懐かしいな～
あれから、もう4年もたつんだね』

4年前の2月、
久しぶりに建築士の卵を新卒で採用！

する事にした。
うちの会社は1級建築士事務所だが、

設計もしない、施工もしない・・
会社だから・・地味だ。

補償でも建物等の検査でも・・
在る建物を調べるだけだから、

（デザイナーになりたい！）
（モノ作りをしたい！）

と思っている建築士の卵たちには、
人気がない。

結果、新卒採用は、
18年前のカッコマンH君以来してこなかった。

が、
4年前、思い立って新卒採用活動を開始した。

場所は、
北海道中小企業家同友会共同求人説明会！

『うちの仕事は変わっているから、
実習をして貰いましょう～』

説明会で当社の採用試験を受けたいという学生さんには、
実習に来てもらう事にした。

とはいえ、
やっぱり建築士の卵には人気がなかった。

実習希望者は二人だった。
あいにく、札幌市内の現場はなく、

場所は東川町、
『二泊3日なんだけど、大丈夫？』

一人は日帰り、
そして・・

ビベロYちゃんは、
釧路から札幌に来て前泊し、私たちに合流した。

ビベロYちゃんは、
釧路高専の5年生、まだ19歳だった。

だあれも知らない人たちと東川町までのドライブ・・
『さあ～外部4面の野帳を取って～』

『こうですか？』
『飲み込み早いね』

さくさく動いた。

ホテルは2食付、
『ご飯はみんなで一緒に食べるんだよ～』

『は～い、大丈夫です～』
うちのみんなは嬉しそう～

こんな若い女の子と現場で一緒なんて初体験・・

『ちょおと～
未成年なんだからお酒は飲ましたらだめだよ～』

『は～い』

ビベロYちゃんは、
三日間、一所懸命実習をした。

『むつみさん、あの子、いいね！』
もう採用は決まったと同じだった。

その後、社内研修もし、
『面接試験を受けます！』

そして・・・仲間になった。

先だって、
ラガーマンM君が言った。

『あの時、
ビベロYちゃんもビールを飲んだんですよ～』

ちょおと～！
まったくだ・・・。

あれ以来、
やっぱり新卒建築士には人気がなくて・・

来年新卒の建築士の卵のみなさん、
こんな変わった仕事もあるんだよ～

今、ビベロYちゃんは、
2級建築士の資格もとり、

わが社のホープとなっている！