うちの会社は、
建物の検査診断をしている。

まあ、病院でも色々な専門があるが、
建築の分野でも同じ、

病院で言うところの、
検査放射線部門に近いだろうか、

病院に行って、
レントゲンをし、

『影がありますね。』と先生にいわれ、
ビクッ…

『念のため、MRIを撮りましょう』
ドキドキしながら、検査を受ける。

実は、レントゲンを読むのも、
MRIやCTの結果を読むにも、

熟練と学習が必要で、
専門の医師たちがいる。

医者となれば、
誰でもすぐわかるものではない。

うちの会社の検査も同じだ。
赤外線カメラ、俗にいう、サーモカメラ、

対象物にカメラを当てて、
その温度変化が赤だの青だので表れる。

うちの会社のカッコマンH君と、綺麗好きN君は、
その検査診断のプロだ。

只今、
その論文作りに追われている。

MRIやCTを読んで診断する医師たちが、
日夜、学習研究し論文を発表するように、

赤外線カメラを使っての検査診断も、
日々の研鑽なくしては、

正しい診断にならない。

無口な綺麗好きN君は、
時々コンビニに買い出しに行く時以外、

席を立たず、
パソコンの画面に見入る。

カッコマンH君は、
片足を椅子に乗せ、

膝を抱える独特の格好で、
パソコンに集中する。

二人の姿は格好良く、
うふふ…頑張ってね！

なのだが、論文作りに集中すると、
無口が余計無口になるのが寂しい。

まあ、うちの会社の診断力は、
この研鑽力に支えられているから、

我慢ガマンだ。

後は、
研鑽された技術を社会に貢献できるよう、

広めなくっちゃあね！

そうよね！
と、

二人をみるが、
……………

赤外線はわかっても、
私の目線は …感じない…らしい…