『やっぱり、家に帰って弁当を食べるかな・・』
12時になった時、ホンワカH君が言った。

『お弁当を忘れてきたの？』

『そうなんすよ～
夕べ、Sは俺より遅くまで仕事をしていて、

朝は、俺が起きる前に仕事に行ったのに、
弁当を作ってくれたんですけど、

それを忘れてきちゃって・・』
ホンワカH君の愛妻Sちゃんは、

働いているのに、
毎日ちゃんとお弁当を作る偉い主婦なのだ。

『それは、帰って食べといでよ。
お弁当を忘れた何て言ったら離婚されちゃうよ。

休みはいっぱい貯まっているんだから、
ゆっくり食べておいでよ～』

『そうすね。じゃあ少し遅れると思います』
ホンワカH君はタイムカードを押して家に帰って行った。

寝る時間を割いて、
お弁当を作るSちゃんも偉いが、

それを忘れた事を悔いて、
食べに帰るホンワカH君も偉い。

もちろん、
心の傷に耐えかねて、社内で忘れた事を話し、

女子社員を中心に、
やいのやいの言われた事で、

背中を押されたに違いないが・・

そこには、
一生懸命働きながら、

家族のために家事をする妻への、
感謝と愛があるようだ。

ホンワカH君は不器用だから、
結局お弁当を忘れたことはバレルと思うが、

わざわざ食べに帰ったことを、
Sちゃんはきっと嬉しく思うだろうな～

（俺より後に寝て、俺より先に起きたのに弁当を作ってくれた・・）

その話をした時のホンワカH君は、
本当に申し訳なさそうだった。

私も、その気持ち・・見習おう・・

いつも、あのさ～と
求めてばかりいる自分を・・・反省・・だ。