何事も機械化が進んでいるが、
物により、

手作業の方が、
能率がいいものもある。

それが、補償のチェック・・
色々、試してみたが、

機械化できるところと、
そうでない所が、かなりあり・・

人力チェックが効果を発揮し、
うちの会社の性能を保っている。

そのチェックの中心人物はチェックマンＡ子さんだが、

『年末年始で休みが続くので、
手が足りません！むつみさんも参加を！』

と、なった。
以前は私もチェックをしていた。

だから、出来なくはないはず！
いざ！

と、図面・積算書を見比べながら・・
チェックを始めたが、

『ビベロＹちゃん、
図面の所有者住所は何処を見ればいいの？』

なんて、基本的な質問から、

『ビベロＹちゃん、
新設の根切りと埋め戻しの考え方って・・』

積算の事まで、
聞くはめになっている。

いつも、ビベロＹちゃんじゃあ悪いと思い、
『チェックマンＡ子さん、これって間違っているよね？』

と、
チェックマンＡ子さんに聞いてみたり、

あれこれ、
あっちを見たり、こっちを見たりと、

聞く相手を変えているが、
邪魔している感は否めない。

昔、うちの会社に入り、
チェックを覚え始めた時もそうだった。

そして、
チェックは間違いを探す作業だから、

『あの～ここ、違うと思うんですが・・』
と、先輩の建築士に言うのは勇気が必要で、

自信がある建築士ほど、
『その通り！よく見つけたね！』

と誉めてくれるが、
その当時、中には返事をしなかったり、

間違いを直してくれない建築士もいて、
経験の少ない私には、嫌な作業だった。

そのチェックは、
その後、チェックマンＡ子さんに受け継がれ、

チェックマンＡ子さんも嫌な思いをしながら、
仕事を覚えたが、

今は、
補償チームは強い信頼感と、

『くそ～今回はパーフェクトだと思ったのに～
付箋がついてきた～』

プライドで仕事を仕上げている。
そこに、私が出戻り仕事だ。

チョッと、心配だが、
『大丈夫です。むつみさんには、

簡単な数量チェックと記載チェックですから・・』
はいはい・・それは安心なような寂しいような・・

でも・・始めたら、
なんだか・・・ドキドキ・・嬉しい気がする。

不思議な感覚だった。
現場に関わる仕事はやっぱり面白いのか・・

さあ～次は暗渠のチェックだぞ。
この寸法はどこから来ているのかしら？

心密かに楽しんでいる。