日刊せみなりーBLOG
ノンアルコールビールは…
更新日:2013/01/12
正月休みの間、
長野県と愛知県の娘家族が帰って来ていた。
愛知県の長女の婿さんは、
社会人重量挙げをしている青年で、
ビールが大好きだ。
だから、帰ってくると聞くと、
天然冷蔵庫のベランダには、
三箱は並ぶ。
今回も、エビス、黒生、クラッシクと飲み放題だった。
『あら、もうないわ。買い足そうね。』
三が日には再び買った。
もちろん、毎日、三女の婿さんも加わり酒盛りだから、
一人で消費しているわけではなかったが。
休みが終わり、
長女の婿さんDちゃんは一足先に帰って行った。
喧嘩ばかりよくしている夫婦だが、
まだまだラブラブだから、
長女もさみしそうだった。
『Dちゃんは、また、ビールが飲めなくなるね。
第三のビールに戻りだわ』
長女は不憫そうに言った。
その長女も9日に帰って行った夜、
中野家総勢15名の大家族集合が、
二人になっては可哀想だと感じた三女が夕食にやって来た。
『寂しいね〜おい、ビールを出してくれ』
夫が言った。
『ビール、何も残ってないよ。』
ベランダ天然冷蔵庫を見て三女が言った。
『何でだ!昨日まで沢山残っていたろう!』
『お姉ちゃんが全部荷物に詰めたんだよ。Dちゃんにお土産だよ。』
ビールがなくては始まらない夫は、
愕然とし、『そこにあるのはなんだ』と言った。
ベランダには、
娘用のノンアルコールビールが並んでいた。
『おい、それくれ…』
夫はノンアルコールビールを一口飲み、
『うまくねえ〜』
いいちこをドボドボビールについで、
『ビーチュウ、久しぶりだな。』
と言って飲んでいたが、
ノンアルコールビールに焼酎を入れては、
何の意味もない。
『持っていくなとは言わないが、
なくなったと言ってくれたら、買ってきたのに』
夫の気持ちも最もだが、
言えなかった娘の気持ちもよくわかる。
(じじは、またビールを買えばいいじゃない。
うちのDちゃんは、第三のビールなのよ。)
父より夫を思う娘の気持ちが手に取れるようだ。
いいのだいいのだ、それで良い。
夫はブツブツ言いながら、
焼酎に変えていた。