日刊せみなりーBLOG

転職して…

更新日:2013/01/23

補償の仕事に関わりだして、
気が付くと20年たっていた。

看護婦からの転職だから、
見るもの聞くもの、珍しくお目目パチクリの日々だったが、

調査に行くようになってからは、

北海道をくまなく移動、
行く先々で、色々な方々にお目にかかり、

楽しくなった。

補償の仕事は、
国、自治体などが公共事業のために取得したい土地の、

上または地中にある全ての権利物の調査が中心だが、
物件は建物が圧倒的に多い。

その調査を受託すると、
まずは、所有者に調査のお願いだ。

各お役所もするが、うちのような業者は、

『○○役所から委託を受けまして、
そちら様の住宅の調査を致します補償セミナリーの中野と申しますが・・』

と電話をする。
初めての方に電話をするだけでも緊張だが、

色々な方がおられるので、
結構ドキドキ・・・だ。

もっとも、
電話で感じがとても良かったのに、

お会いしたら、怒っていた。
と言う事はほぼない。

そして、電話では余り歓迎をされていないと感じたのに、
お会いしたら、めちゃくちゃ良い方は意外に多い。

岩内の現場がそうだった。

1日目が終了し、ビベロYちゃんの手を見ると、
毛糸の靴下を持っている。

『どうしたの?靴下?』
『調査をしていたら90歳のおばあちゃんが、

手編みだよ。暖かいから使いなさいって、
下さったんです。』

わ!羨ましい!

寒い中、
一生懸命仕事をしているビベロYちゃんが、

孫娘に見えたのだろうか?
次の日、別の建物の調査に入ると、

一人暮らしの奥さんが、
『寒いっしょ、お茶にして〜美味しいパンを買ってきたから』

と、
美味しそうなパンとコーヒーを出してくれ、

『綺麗好きN君、ほら、食べて〜』
社員を君付けで呼ばれるのも嬉しいものだ。

この奥さんの息子さんは、
内装業を営まれておられるようで、

年頃の近い綺麗好きN君は、
息子のようだったのだろうか。

コーヒーを飲みながら、
苦労話をお聞きして、

家への思い入れも分かった気がした。
調査は厳寒と雪との戦いで辛かったが、

『良い方々だったね』
終わった後、心がほっこりする現場だった。

自分たちがこう感じる現場は、
所有者の皆さんも、調査に満足して頂いていることが多い。

看護婦からの転職は、
畑違いの気がしていたが、

基本は人との繋がりだから、
大きな違いはないような気がする。

転職して20年、
現場はやっぱり…抜けたくない。

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