日刊せみなりーBLOG

まあるい氷…

更新日:2013/02/12

もうかなり昔になるが、
夫の両親を奈良旅行に連れて行った事がある。

泊まったのは奈良ホテル、
これは私の希望だった。

あの古い、
その時代には、けして足を踏み入れることさえ無理であったと思われる建物、

天皇も確かお泊まりになったと思う。
『俺は普通のホテルがいい』

という夫を説き伏せて、泊まった。
重厚な佇まい、気分はお姫様だ。

ホテルにはBARがあった。
調度品も落ち着きがあり、レトロで素敵、

テーブルランプの光の中、
両親、夫と私は、

『どうせだから、本格的なカクテルを飲もうよ。』
『私、サイドカー』『俺、……』

と、気分に乗ってお代わりをしたが、
あれはソルティドックを頼んだ時だと思う。

グラスの中にまん丸な氷が入っていた。
高級そうなグラスに氷がぶつかり、

カランコロンと軽やかな音をたてた。
『わあ〜素敵だね、むっちゃん、』

義母が嬉しそうに言った。

帰札後、
元ホテルマンのラガーマンM君に聞いて見た。

『どうやったら、あんなにまん丸になるのかしら?
どこにも跡が付いていないし、不思議』

『むつみさん、
あれはバーテンダーがピックで削って丸くするんです。

そうすると、グラスに響く音が違うんですよ』
なるほどね〜

何でも、一流を追求すると、
氷もピックで削って丸くするのか。

夫もおぼえているらしく、
大好きな100きんで、丸くなる製氷器を買ってきたが、

それは、似て非なるものだった。

本日のパスタのお店で、
その100きん氷が入ったお水を見て思い出した次第…。

また行って見たい奈良ホテルだ。

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