補償業務で全道を歩く。
看護婦時代には考えられないことだったから、

これがまた、楽しい。

おまけに、
主要都市より圧倒的に地方が多いから、

農業、漁業、酪農、温泉宿、
病院、警察、郵便局、学校、図書館、

公民館、
ありとあらゆる業種、お仕事の方達とお話をする。

今年度は、林業もあった。
クマが出そうな杉山だったが、

下草が刈られ、良く手入れがされていたが、
杉山の中は暗くて怖かった。

『杉山は密集して植えることで、
太陽が欲しいと、杉は、真っ直ぐに上へ上へと、

育ちます。』
その時、知った。

なるほどね〜
確かに杉は真っ直ぐ伸びていた。

何でも理由があるんだ。
そう言えば、林業では切った丸太が積んであるが、

どうして、水をかけるんだろう？
知識豊かないなせなSさんに聞いたことがある。

『一つは、火を出さないこと、
自然発火の防止です。

もう一つは、少しずつ水を含むことで、
木が歪まなくなる。

だって、昔は山で切り出して、
川を流しながら運んだでしょ。

それに意味があったのですよ。』
なるほど〜

なんて言いましたっけ？
木遣り？でしたっけ、

川で浮いている材木を、
ちょんちょんする方たち…

それにも、
意味があったんだと納得した。

真っ直ぐ伸びた杉の木は、
切り出されても、川には浮かばず、

トラックの上だ。
材木屋さんの材木置き場で、

スプリンクラーが水をまく。

全道をくまなく歩くこの仕事、
意外に面白い異業種探検だ。