日刊せみなりーBLOG

春になると・・・・

更新日:2013/06/04

今、
うちの会社は20代から60代まで、

老若男女が少数ずつながら、
交差して仕事をしている。

私もかろうじて、
50代よ!だが、

ふと、
自分の20代30代はどんなんだったろうか?

と考えた。
社会人の出だしは看護婦だった。

初めての病棟勤務、
何をどうしたらいいのかわからず、

同期の友人と途方にくれて、
病棟の廊下に立っていた。

『ねえ、これどうしたらいいと思う?』
『うん、どうしたらいいんだろう?』

先輩に、
『分からないもの同士で聞きあってどうするの?!』

と怒られ、
ドキドキしながら聞いた。

最初の1~2年は、
もの壊しも随分した。

昔は、
水銀の体温計を使っていたので、

上がった水銀を下げるために、
遠心分離機のような機械があった。

二つの筒状の入れ物が入っており、
それに体温計を入れてスイッチを押す。

すると、
キューンと回りだし、

まさに遠心分離機の要領で、
筒がまわり、中の体温計の水銀が下がるのだが・・

初めて使ったその日、
片側だけの筒に全ての体温計を入れて、スイッチON!

遠心分離機は、
まるで入れすぎた洗濯機のように、

ガタンガタンと大揺れし、
蓋が外れて、

体温計は、飛び出した。
『中川さん!ちゃんと考えて入れなさい!』

私は分からなかった。
均等に入れないと、遠心分離機は壊れる事を・・・

もちろん、その後は上手につかえたが、
後輩には必ず、

『この筒には均等になるように体温計を入れてね。
爆発するから・・』

と教えた。
ほとんどの後輩は知っていたが・・・

無口で何も言わない医師と往診に出かける時、
声をかけられるのを待っていたら、

『何時まで待たせる!』
と怒られた。

私に仕事が出来る日が来るのだろうかと、
ため息の日々だったが、

気がつくと、
どうにか仕事になっていた。

テキパキと仕事をし、
患者さんに優しく声をかける先輩に憧れ、

いつか私も・・・と思っていたが、
いつまでたっても、越えられないような気がした。

時日がたち、
『どうしても中野さんは越えられない』

と、後輩に言われたが、
その後輩は遥かに私を越えていた。

自分が、未熟だった頃の先輩は、
超偉大に見えるものらしい。

さてさて、
うちの会社の20代、30代、40代・・・

先輩達をどう見ているのだろうか?

春になると思い出す若かりし頃の、
自分の姿だ。

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