『やっぱり、モゴモゴＮ社長が現場に行くと、
その穏やかな雰囲気に、

みんな、
怒る気がなくなるんじゃあないですか？』

ホンワカＨ君が言った。

気難しいと評判の方が、
現場関係者にいると、

モゴモゴＮ社長が、
呼ばれることが多いが、

その理由を、
ホンワカＨ君はこう考えたようだ。

『そうかしらねえ～
モゴモゴＮ社長と話していて、

喧嘩腰になるのはわたしだけかしら・・』

そんな私が、
モゴモゴＮ社長と穏やかに話が出来るようになった。

それは、
穏やかＯさんがいるときだ。

穏やかＯさんは５９歳、
私より一つ年上でモゴモゴＮ社長より二つ年下だ。

３月まで北海道の職員だった。
穏やかＯさんは人を急かさない。

結論を急がないから、
議論をしやすいのか、みんなも、

『穏やかＯさん、
こういう案件をどう思います？』

よく話しかけている。

結論を押し付けず、
ふ～ん・・と聞く感じが、

周りを落ち着かせるのだろうか？
と、わが身を振り返ると、

人を急かし、
結論を急ぎ、結論を押し付けているのだろうか？

と反省する。

『パソコンですぐ開かないと、
何回もクリックしてしまい、パソコンにへそを曲げられる』

と、穏やかＯさんは言った。
せっかちな所もあるのかな？

モゴモゴＮ社長は、
そんな穏やかＯさんといると、

自分の穏やかさが顔を出すようだ。

そうか！
だから、穏やかＯさんがいると、

私は夫ことモゴモゴＮ社長に、
腹が立たないのだ。

やけに納得した。
人が醸し出す雰囲気は、

こうやって、
周りに良い影響も悪い影響も与えるのだな～

尚のこと、反省だ。
私のイッラ！は周りの人をきっと急かせるだろうな・・・

と、
思わず社内を見回した。