うちの会社は小さいのに、
北大の名誉教授が名誉社員でいる。

農学博士前川北大名誉教授だ。

その前川名誉教授の愛娘Tちゃんは、
元JAL国際線のスッチーだった。

世界中を飛び回り、
結局、イギリスでイスラエル人のGと結婚し、

現在はスイス暮らし。
9歳の女の子Sと1歳の男の子Nの、

可愛いハーフのママさんになった。

『Sは日本語、イスラエル語、ドイツ語、英語が話せるんだって。』

凄い！
まさに国際人だ。

その二人の子供を連れて、
夏休みで帰ってきたTちゃんは、

『やっぱり、日本は凄い！
食べるものでも美味しいし、世界中で一番だと思う。』

と言った。
Tちゃんは、『世界中を知っているわけではないけれど』

と、謙遜していたけど、
かなり、知っている。

『子どものおもちゃでも、とっても楽しいものが一杯、
Sも日本に来るととても喜んでいるのよ』

ふ~ん、そうなんだ。
日本から一度も出たことがない私は、

ヨーロッパの方が進んでいると思っていたが。
『果物も日本のものは最高よ。

工夫して、
より美味しいものを作ろうとするんだと思うわ。』

Tちゃんは言った。
そうなんだ、そうなんだね。

因みに、
『ケーキも日本のが美味しいし！ポアソンのケーキは最高だった。』

ポアソンとは、
会社の近くにあるケーキ屋さんだ。

元JAL国際線のスッチーだったTちゃんは、
世界中を飛び回り、

現在はスイスで暮らすという、
誰が聞いても、

『わあ！凄い！』という感じだけど、
それでも、日本が凄い！と言う。

外に出た人の方が、
日本の良さを感じるのかも知れない。

やっぱり、
一度は日本から出てみるべきか、

Tちゃんに会う度に、
パスポートを作ろうかなと思いながら、

その居心地の良い日本から、
出る気のしない私であった。