日刊せみなりーBLOG

古き良き建物は…

更新日:2013/10/13

近頃、
古い良い建物を普通にリフォームして使われている方達に、

よくお会いする。

先日調査をさせて頂いた家は、
『多分、戦前の建物だと思うんですが』

と、
息子さんがいうくらい古かったが、

それを、
しっかりリフォームをして使っておられた。

古い農家の建物で、
一階平屋建て、天井が高く、

母屋から屋根続きの、昔納屋、
今は大きな物置として使っている部分は、

太い立派な梁がむき出しで、
(これは、母屋の木材は素晴らしいだろうな)

と、想像できた。

この建物の所有者は、かなり前に、
構造体部分を残して、断熱材を入れ、

現代風に暮らされていた今は亡き、
老夫婦で会った。

中々、
時代の先端を行っていた方々だ。

もうひと方は、小樽の女性。
義父が戦後に買われた、小樽の海運業が所有していた豪邸の一部を残されて、

それをコテージとして活用されている。
もう、17年間も営業している。

『私がお嫁にきた頃は、凄い洋館で寒かったですよ。
建て直す時、この部分は離れのようになっていた応接間だったのです。

たまたま、遊びに来た友人が、
素晴らしい見晴らしだし、

勿体無いからコテージにしたら、
と言ってくれて…

自分たちも、使えるなと思って、
浴室洗面所は新しく作りました。

外壁のタイルは、
その当時のものがINAXに残っていたので、

外壁を一度壊し、断熱材を入れ直して、
そのタイルを貼りました。

サンルームは、外壁で囲い、
このはめ込み窓は、特注です。

港が一望できるでしょ。』
そこは、コテージという言葉が当てはまらないほど、

重厚で立派な洋室だった。
奈良ホテルや富士屋ホテルの一室を持ってきたようだ。

目の前に広がる小樽港は、
雄大だった。

『こんなところがあったのですね。
素敵………』

『口コミで広がって、札幌の方が一番多いですが、
夏は、大阪の方が一人で一ヶ月以上貸切です。』

北海道にも、
古き重厚な建物があったのだな、

小樽のその女性が言われた。
『本物は違いますね。』

全部を残すことは難しいけど、
一部でも残すことが出来るといいなあ、

と、つくづく思う。

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