日刊せみなりーBLOG

若かりし頃…

更新日:2014/01/04

生まれて初めての
【雪のないお正月In愛知』から戻った夕べ、

一番にしたことは、
『年賀状を見てきて〜』だ。

親しくても、
みんな忙しくて、会えない人たちからの年賀状は、

添えられたペンの一文字から、
(元気そうだな)(まだ、発展させているの!凄い)

などが分かり、嬉しいものだ。

(来年からは、やっぱり、一言を添えよう)
と反省した。

その頂いた年賀状の中に、
嬉しい一枚が今年もあった。

それは、
むつみさんのお母さんからのものだった。

あれは、
看護学生最後の実習だった。

私は、
36歳まで看護婦をしていたが、

看護学校は室蘭、
血気盛、反骨精神旺盛の頃で、

自治会活動もしていた。
その自治会メンバー全員が、

『実習単位が足りません。
それぞれ、足りない所で再実習をしないと卒業出来ません。』

と、卒業式間際に言われた。
その当時の看護学校は科別の実習が多く、

短い実習期間の所で休むと単位が足りなくなるので、
かなり、気を付けていたから、

『そんなはずはない。それぞれの実習では合格点を貰った』
と、クラスで抗議に行ったが、

聞いてもらえず、再実習は行われた。
私は、産婦人科実習だった。

心中穏やかではない実習だったけれど、
産科は大好きな所だったので、

新しい命との出会いに興奮した。
担当したお母さんは、女の子を生んだ。

実習最後の日、ご挨拶に伺うと、
『名前を【むつみ】にしようと思うの。いい?』

と言われた。
ビックリしたが、嬉しかった。

これは、私の15年間の看護婦人生で、
誇れる出来事二つのうちの一つだ。

その方との年賀状のやり取りは、
ずうっと続き、もう一人のむつみさんの今を知る。

一昨年の看護学校のクラス会の時、
担任だった先生が、

『あの時の事が気になって、一度、言わなきゃあ
と思っていなんだけれど、』

そうですよね。
お陰で、私たちのクラスは卒業式が二回に別れたんですから。

と全員が思ったけれど、
今は昔だ。

『先生、昔のことですよ。
でも、私には一つだけいいことがありました。』

誰にも話したことのない、もう一人のむつみさんの事を、
話した。

『おむつ、看護婦冥利に尽きるね。』
友人が言った。

その通りだ。
毎年、思い出される出来事だ。

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