日刊せみなりーBLOG
ちょこっと、前に!
更新日:2014/01/12
『風邪は安静なんだな』
ゲホゲホ咳のモゴモゴN社長が言った。
お正月から、
私は孫の風邪を貰い寝込んだが、
まるで、負けじとばかり、
『俺だって風邪だ!』
夫ことモゴモゴN社長も風邪を引いた。
治らないまま、
仕事始めになり、
ゲホゲホゴホンゴホンと、
夫婦して菌を振りまいていたが、
『代わりに現場に行きますよ』
優しいみんなの言葉で、
この二日間、夫婦して、心ゆくまで寝こんだ。
『そうだよ、風邪には、安静・栄養・睡眠だから』
昔とった杵柄、私も看護婦の言葉になる。
お陰様で、
二週間にも及ぶ孫風邪から脱却できそうだ。
家中が、
安静モードの中、テレビを付けたら、
春高バレーの決勝戦が行われていた。
運動に全く関心のない私でも、
春高バレーは知っている。
スラリとした選手たちが、
ボールを落とさず、必死に返す。
目が離せない。
その高校生たちを見ながら、
自分の高校時代を思い出した。
私が通っていた中高一貫教育のF高は、
その頃、
体育に対して、消極的であり、
バレーも、
コートは半分の広さであったと思う。
良妻賢母の優秀な女性を育てるのに、
体育の時間はおまけのようなものだった。
運動は身体に悪いと、
今も信じている私にとっては最高の学校だったけれど、
普通に元気の良い女学生にとっては、
きっと、苦痛だったに違いない。
春高バレーの選手たちは、
汗をかき、必死に闘い、
負けたチームは大泣きし、
勝ったチームは、
嬉し泣きと大笑いだった。
何と、爽やかなんだろう。
この爽やかさが、
春高バレーの人気の秘密なんだろうか。
バレーを見終わると、
『さて、猫のトイレ掃除でもするかな』
風邪から復活した夫が言った。
『元気が出てきたんだね』
良妻賢母の学校を出た割には、
悪妻愚母の私が言った。
春高バレーの爽やかさが、
停滞気味の中野家に少しだけ、
春の風を流してくれたようだった。