うちの会社は、木造二階建て、
一階は車庫と会議室、

二階が事務所になっている。
いわゆる、カッコいい建物ではないが、

事務所内は、立派な事務所、
パソコン、コピー機が並び、

みんな、パソコンをパシャパシャ、
プリンターやコピー機がピーコピーコと、

音を立てている。
その事務所の中で、

モゴモゴN社長と、穏やかO顧問と私は、
北側に一列に机を並べ、

その一生懸命働くみんなを見る感じになっているのだが、
いつも、(うちの会社は若いなあ)と思っていた。

そして、
きゃっきゃっと働くみんなも、

(うちの会社は若いなあ)と思っていたらしいのだが、
全体会議の時、

『平均年齢を見たら、若くないですね』
と、ビベロYちゃんが言った。

ああ……そうね。
募集要項に載せている平均年齢は、

北側に一列に机を並べて居る三人も、
旭川支店長シャイなO常務も数に入っているからね。

おまけに、正社員に限ったので、
常任アルバイターやパートさんはいれていない。

『よその会社を見たら、
パートさんもいれていますよ。』

まあ、そうですけれど。
ついつい、真面目に考えすぎたが、

いつも一緒に働いているパートさんは、
数に入れるべきか？

『役員を平均年齢から外そう』
シャイなO常務が言った。

そうする？

外食産業を除く中小企業は、
平均年齢が高いから、

余計に、
若い人の応募が少なくなるようだ。

なるほどね。
確かに、若い人が多いのは楽しいから。

私は、
看護婦から社会人の世界に踏み出したけれど、

その当時、
私の回りは20代ばかりだった。

同じ詰所の看護婦も、
医者も若かった。

何処に行っても笑い声が聞こえ、
病院なのに元気だった。

患者さんの為に良い医療をしよう！
夢に燃えていた。

飲みにも良く行き、
語り合った。

楽しかった。

今のうちの会社も、
笑い声がよく起こり、

飲みにも行って楽しいから、
昔と同じ若者集団だと思っていたけれど、

残念ながら、
実際は平均年齢を考える集団になっている。

でもね、
日本中が高齢化なのだから、

35年前とは同じにならないよ。
と思いつつつ、

みんなの意見を聞いて、
平均年齢は、

役員を除く、
実際にいつも働いているみんなの平均年齢としよう。

『穏やかO顧問だけ、入れると丁度いい』
なるほど………

会社の雰囲気を年で表すのも、
難しい時代だと、北側の机に座り、

明るく働くみんなを見ている。