あれは、
どのくらい前だったろうか。

電卓女王で製本の速さは右に出るものなしのAちゃんや、
チェックマンA子さんが、

いた頃だった。

『死ぬんだったら、ポックリがいい』
と言う話題になった。

周りにも迷惑をかけず、
自分も苦しまないから、

という理由で、
社内でも、圧倒的多数を閉めた。

でも、『私は嫌だわ。
死ぬ時はみんなとサヨナラをしたいもの。

家族だけでなく、
社員も仲間もみんなとさよならしたい。』

と言った。
『そしたら、むつみさんは、

まだ、スノーマンK君が来ていない、
とか、言うの？』

その通り！
『スノーマンK君が来るまで、死ぬのを待つわ！』

『わ！そりゃあ、大変だ、でも、俺、駆けつけますよ』
と、スノーマンK君は、

言ってくれたように思う。

だって、
寂しいじゃない。

ありがとう！とか、
ごめんね！とか、

幸せだったよ！とか、
伝えられずに、旅立つのは。

だから、
意識があるのが1週間は欲しいな。

会いたい人に全員会えて、
ありがとう！ごめんね！あなたのお陰で幸せだったわ！

って、
伝えられたら、

どんなにいいだろう。
1週間あったら、子供たちも覚悟が出来るし……

だから、
死ぬ時は…………

と思っていたことを、
思い出した3月5日だった。

お陰様で、
憎まれっ子世に憚る！

大事に至らなかったけれど、
社員の皆に心配をかけ、

家族を不安にさせてしまったことを反省し、
日々真面目に生きようと思った次第。

やっぱ、
人間は生かされているんだね。

幸せも感じた59歳初日でも、あった。