強制禁酒から一ヶ月がたった。

『むばばのFacebookには、
禁酒の話しか書いてない。』

と、
婿殿が言っていたそうだが、

否定は出来ない。

『えええ！！！？？？むつみさん、お酒飲まないの！』
社員は笑っていたが、

人生の楽しみの、
７０％を閉めていた美味しいお酒が、

飲めないのは、
全くつまらない…………

と、思っていたら、
昨日、宅配でワインが届いた。

助っ人I君からだ。

助っ人I君は、
北大大学院生の時からうちの会社のバイトを始め、

建築士として独立した今も、
時々、助っ人をしてくれているが、

昨年度は、
ほとんど顔を見ていなかった。

(ワインなんてどうしたのかしら)
かれこれ、20年近くの付き合いになるが、

プレゼントは始めてだった。
開けて見ると、手紙が入っていた。

(3月7日の新人U君の歓迎会で、
病気になられたことを知りました。

退院されたと聞いてホッとしましたが、
良い機会なのでゆっくり休んでください。

元気になったら、また、食事を一緒にしましょう。)
と、ワインの説明と共に書かれてあった。

『お母さん、このワイン、
この間世界不思議発見に出ていたものよ！』

娘がびっくりして言った。
彼らしい、良いセンスだ。

助っ人I君は、
本業の設計デザインが忙しくて、

毎回声をかけるうちの飲み会にも、
参加できずにいたけれど、

7日は、参加したんだね。

私の事を気遣ってくれた手紙に、
朝から、嬉しくて、

イマイチの体力に、
気持ちも沈みがちだったけれど、

何だか、
嬉し涙がウルウルだった。

自分を気にかけてくれる人がいるって、
こんなに嬉しいことなんだ。

よし！
早く元気になってこのワインを飲むぞ！

それまでは、
野菜室で寝ていておくれ！

ワインは野菜室の奥で、
しばしの眠りについた。

思いは、
表現しないと伝わらないと言うけれど、

【表現された思い】で、
人は、ここまで元気になれるものなんだと、

実感した。

絶対元気になって、
絶対禁酒をとくぞ！

ワインちゃん、待っていてね〜