『あああ、暫く触っていないと、
どうやるのか、すぐ忘れちゃうんですよおお』

今の時代、入札も、
その前にある指名通知の発送も、

落札結果も、
すべてパソコン上で行われる。

応札は、
穏やかO顧問60歳が、第一走者、

二番手が5９歳の私・・・

二番手なので、
間がそこそこ空く。

パソコンの前に座り、
あれ？どこだっけ？

昔なら、
どんなことでも、手が勝手に動く！

身体が覚えるのよ！
だったのに・・・・・

はて・・・初めて見たような新鮮さ・・
前に、やったことあったっけ？

状態だ。

私のつぶやきを聞いていたO顧問、
『僕も同じですよ。毎回、初めて見たい・・』

『あら？！一緒ですか？良かった！』
と、ホッとする。

初めて、
ネット上で入札をしたのは何時ごろだったろうか？

それまでは、
全部が会場での入札だった。

今日は帯広、
明日は函館・・来週は網走・・・

移動は大変だった。
入札が多いとホテルも取れず、

父が社長だったとき、
やっと取った帯広のホテル、

帰ってきた父は、

『いやあ、いいホテルだった。
扉がなぜか二枚付いていて、音が聞こえない。

電子レンジまで部屋にあったぞ』
と、満足していたけれど、

後でそこは、ラブホテルと知った。

入札会場に遅れると、
棄権したとみなされるため、

寝坊はできない。
何度、遅刻した夢を見たことか。

だから、
『電子入札になるんだって！』

と、喜んだけれど、
これがまた・・・大変だ。

あああ・・・・アナログがいい・・・

たまにある紙の入札に、
安心感を覚えるのは、年を取った証拠か・・・

今の若い人たちは、
どんな時に、

私や穏やかOさんのような気持ちになるんだろう。
2～30年後、

世界はどんな機械を使って、
どんなことをしているのだろう。

30年後なら生きているかもしれない。
『あのおばあちゃん、凄いね！使いこなしているわよ！』

と言われたいので、
まずは、パソコンで応札をしよう・・・

何事も嫌わずに向かうのが若さの秘訣・・
だそうですよ、やれやれ・・・