日刊せみなりーBLOG
つれづれなるままに…むろらんへ
更新日:2014/05/27
久しぶりに汽車に乗った。
正確には電車だけれど、
私の中では、汽車。
行き先は、室蘭だ。
昨年、
穏やかOさんが顧問で入社して以来、
私が汽車に乗って道内を回ることは、
ぐっと減った。
だから、今日は超久しぶり。
ワクワクしながら、
車窓を眺める。
ふと、生きていて良かったな…
と、思った。
三月から、思いも寄らない一病息災になり、
その後、初めての小出張だった。
苗穂から江別へと続く街並み、
見慣れすぎた景色なのに、
嬉しかった。
千歳を過ぎたら、
畑作地域、まだ畑は土の色、
牧草地帯だけが青々している。
原生林の若葉は黄緑色で、清々しい。
空は曇りで寒そうだけれど、
冷たくて綺麗な空気を吸っている気分だ。
向かう室蘭は、
私にとって、思いでいっぱいの場所。
私が幼稚園の頃、
七歳年上の姉と二人で、
初めて室蘭に住む叔母夫婦を訪ねた。
青い背が真っ直ぐな、向かい合わせに座る汽車のボックス席で、
居眠りしながら、
姉に頼り切っていた。
今思えば、姉も小学生、
幼稚園の妹を連れての長旅だったろう。
姉も心細かったに違いない。
そして、私が17歳の時、
父が胆振支庁に転勤になった。
母と父は二人で、室蘭に住んだ。
時々訪ねると二人は、新婚生活のようだった。
高校を卒業すると、
私は室蘭の看護学校に入ったが、
父は入れ違いに札幌に戻った。
親がいなくなり、
私はここぞとばかり、
青春を謳歌した。
でも、
今頃の室蘭は曇りばかりで肌寒く、
心が寂しくなり、
ホームシックはこの時期の定番だった。
車窓から曇り空を見ていたら、
あの時の寂しさがぶり返しだ。
汽車は順調に、苫小牧を過ぎた。
室蘭までもう少し。
命拾いをした後の、
最初の出張が室蘭なんてこれも縁かしら?
と、柄にもなくしんみりだ。
さあ、外は霧、
我が青春の街室蘭で、
青春のエネルギーを思い出そう。
やっぱり、生きていることに感謝しなきゃあね。