鉄道マニアではない私でも、
思いのほか、ワクワクするのが、

新幹線だ。
『どうせ、生きているうちには乗れないわ』

とか、
『北海道に新幹線がいるの？』

なんて、
誰が言ったの？というくらい、

初めて、木古内で新幹線の橋桁を見た時は、
ワクワクした。

そして、先日、
木古内を訪れた時は、

橋桁はほぼ完成し、
何と、新幹線の駅が完成まであと一歩！まで出来ていた。

『え？！あれが、駅？！』
思わず大きな声をあげたので、

運転手をしていたビベロYちゃんは、
わざわざ、駅の前まで車を回してくれた。

その駅は、
巨大に見えた。

新駅の前には、木造の旧駅舎があった。
鉄道は先日廃線になったから、

ここは木古内駅です。
と、知らせるためだけにあるようだった。

そして、
その旧駅舎の上には、

【ここが、始発駅です】
と大きく書かれた看板があった。

始発？
新幹線の線路は左右にあるが…

そうか！
北海道新幹線の始発駅か！

横にも大きな新駅舎は、
新幹線の大きさを示しているようだ。

遂に、来るのか……

ワクワク感と信じられないような気持ちとが、
同居していた。

静かな木古内町の、
杉山をバックに建つ新幹線の新駅は、

北海道には、
今までなかったような雰囲気の駅だった。

新幹線は、
都会のシンボルなのだろうか。

『大きな駅ですね。』
新駅の前で、ビベロYちゃんが言った。

工事のトラックを誘導していたのおじさんが、
Uターンするように、

誘導灯を回していた。
『間違って入ってきたと思われたね。』

ビベロYちゃんは、
器用にUターンしながら国道に戻った。

知らないうちに、
北海道新幹線は、確実に現実になってた。

やっぱり、
札幌まで伸びてくれなきゃね。

何となく、
それまで、長生きできそうな気がした。