今日は北海道神宮祭、
昔は札幌祭りと言ったけれど、

うちの娘たちさえ、
その呼び名は知らないようだ。

私の学生時代は、
学校は半ドンになった。

でも、
あまりお祭りに行った記憶はない。

子供の頃から、
夜店が怖かった気がする。

何が楽しいのか、わからない。
そんな子供だった。

それに反して、
我が夫ことモゴモゴN社長は、

お祭りが大好きだったようだ。
『そりゃあ、そうだろう。お祭りの嫌いな子がいるか？』

まあね。

義母の話によると、
夫はおこずかいを握りしめ、

残った五円玉でも、
使い切ろうと夜店をウロウロしていたらしい。

だから、
娘たちが生まれると、

お祭りに連れて行くのが、
苦にはならなかったらしく、

三人の娘たちを引き連れて、
中島公園に行き、

綿菓子や大きな風船を買って来た。
中でも、金魚すくいには自信があるらしく、

『また取ってきたの！』
毎回、何匹も持ち帰り、

私の怒りをかっていた。
縁日の金魚は弱くてすぐに死んじゃうから、

余計に私は嫌だった。
そういえば、

三月に行った会社の台湾旅行の写真にも、
金魚すくいみたいな場面があったので、

『台湾にも金魚すくいがあったの』
と聞いたら、

『金魚じゃなくて、海老だよ。
とった分だけ、その場で調理して食べられる。

結構、取れたぞ。うまかった』
と言っていた。

海老だったら、私も嬉し買ったのに。
そんなお祭りも、

気がつくと、
娘たちは友人と行くようになり、

再び、縁のないお祭りになった。
札幌祭りから北海道神宮祭に、

呼び名が変わったあたりから、
会社も学校も休みや半ドンがなくなった。

忙しく働いているうちに、
お祭りも忘れることが多かったけれど、

今年は、
土日が重なった。

会社のみんなは、
友達や家族と出かけているのだろうか？

お祭り好きだった夫は、
『ちょっと仕事をしてくる』と会社に行った。

今日がお祭りとは気が付かないほど、
静かな日曜日。

これで、天気が良かったら、
気分だけでもお祭り騒ぎなんだけどな、

と、
一人で曇り空を見上げた。