日刊せみなりーBLOG

おかえり、鞄!

更新日:2014/06/29

修理に出していた皮の鞄が帰ってきた。
16年間使っていたけれど、

満足な手入れもしていなくて、
寿命のようだったけれど、

最低限の部品交換と、
『油を塗っておきます』とメーカーさんが、

親切で、
東京から送り返されてきた鞄だ。

一週間ぶりにご対面したカバンは、
油のせいなのか、

ものすごく柔らかくなっていた。
16年間、雨風にさらされ、

パンパンになるまで書類やらを詰め込まれ、
二年前からはiPadも入れられた。

『凄い重いカバンですね』
と、よく言われたが、

持つ私への労りの言葉だと聞いていたけれど、
これは、カバンへの労りでもあったのか。

油を丁寧にすり込むだけで、
これだけ柔らかくなるのか、

靴は毎日履かないように、
休めなくちゃ!と気を使っていたけれど、

カバンも休めなくちゃ!だったのね。
そして、栄養も………

と、思いながら、
荷物(?)を入れ替えしていて気が付いた。

あ?!ここも、
ここもいたんでいたんだわ。

自分の仕事ばかりに目が言って、
鞄がこんなにいたんでいる事にも気がつかなかったのか。

このカバンのメーカーさんは、
丁寧に修理もしてくれるので有名だけど、

実は、鞄を修理に出した後、
『傷み方がひどいです。お手入れをしていましたか?』

と言うメールを貰い、
まあ!失礼ね!と、正直思ったのだが、

帰ってきた鞄を見て、
そうだよな、

自分の分身のように感じていたなんて言ったけど、
全然、大事にしていなかったわ。

と、反省だ。
鞄を手入れしてくれた職人さんは、

疲れて帰ってきた子供に優しくするように、
油で拭いてくれたのだろう。

私のカバンは、
柔らかく優しくなって帰ってきた。

『後、一年は持つと思います』
返信メールには書いてあった。

入れる荷物は軽くなりそうにないけれど、
せめて、労わりつつ、

使おうか。
入札セットを入れて、

全道を回った鞄、
経営者の勉強会に参加した時は、

沖縄にも行った鞄、
なぜか、現場にも同行し、

車に揺られ、
夏場は灼熱、冬場は極寒の車内で留守番をしていた鞄に、

ありがとうだね。

さてさて、
明日から、もう少し頑張ってね!

と語りかけ、
油も塗って大事に使おう。

柔らかくなっって帰って来た鞄に触っているうち、
私の心も、

年相応の柔らかさになった気分だ。

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