日刊せみなりーBLOG

辞めてから20年もたつのにね…

更新日:2014/08/07

本日は、大きなお仕事の契約日。
大事な印鑑を持って、

地下鉄に乗った。
降り立ったは、18丁目だ。

1番出口から出ると、
そこは比較的静かなところ、

何せ、知事公館が近くにあるから。
円山ほどではないけれど、

高級感もあるわ。
とおもいつつ、ニコニコしながら歩いていたら、

急に子どもの泣き声が聞こえた。
『嫌だあ、行きたくない〜』

3・4歳くらいの男の子が、
お母さんの手を行くてと反対方向に引っ張って、

足を突っ張らせている。
『危ないから、引っ張らないで。

行かなきゃダメなの!』
何時ものことなのだろうか、

お母さんは疲れたような顔をしながら、
男の子の手を引いていた。

小さなリュックを背負った男の子は、
諦めずに、足を突っ張っていたが、

お母さんに引きずられるように少しずつ進んでいた。
どこに行きたくないと泣いているのかしら、

何だか気になりながら、
お役所方向に歩いていると、

今度は、
自転車に女の子を乗せたお母さんに会った。

『お母さん、⚪⚪ちゃんだよ。泣いているよ。』
『ほんとだ』

格好からして、保育園に行くのかしら。
習い事の雰囲気でもないし、

あれじゃあ行っても習えないだろうし。
ふと、お母さんは看護婦さんではないかしら?

と思った。
近くには病院が幾つもあった。

夜勤に行く前に夜間保育園に預けるのかな?
昔、看護婦をしていた私は、

自分の事のように心配になった。
私は、実家が隣だったから、

夜勤の時は、
子供たちは実家に泊まった。

私は何の心配もなく夜勤が出来たけれど、
あんなに子どもに泣かれたら、

辛いだろうな。
看護師さんが結婚して辞める理由の一つは、

この夜勤だ。
夜間保育園を作れば良いというものでもあるまい。

そんな事を考えていたらお役所に着いた。
契約を無事済ませ、

『ありがとうございます!頑張ります!』
とご挨拶をして、

お役所を後にした。
地下鉄に向かう道すがら、

あの男の子に会うかなと思ったけれど、
当たり前にもういなかった。

どうしてもあのお母さんは、
看護師さんに思えてならない。

子育て真っ最中のお母さん看護師さんを夜勤から外すためには、
子育て前の若い看護師さんと、

子育てが終わった私のような若くない看護師さんで、
頑張るしかないのかな?

新しい仕事の契約書を抱えながら、
想像の中の私は白衣を着ていた。

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