街中で会議があり、出かけたその帰り、
真駒内駅で地下鉄を降りたら、

『滝野霊園に行かれる方はいらっしゃいませんか？』

臨時職員と思われる方が、
【滝野霊園3番乗り場】の看板を持って立っていた。

その姿に、
サザエさんの一コマを思い出した。

お盆の時期、
街に買い物に行こうとしている女性二人に、

お婆さんが、ワザと、嘘をついて、
霊園行きのバスに乗せてしまうというものだ。

『お盆くらい、先祖のお参りをせんかい』
といいながら。

あれはずいぶん前の漫画だけれど、
すでに、都会では、

お墓参りが、
遠のいて来出していたのだろうか。

かく言う我が家も、
お墓参りは、少しずらして行くことが多くなった。

里塚も滝野も、
混み方がひどいから。

そして、
お盆には亡くなった人が帰って来るという感覚が、

乏しいからだ。
亡くなった私の父も義父母も、

いつも、
近くにいる気がする。

父は『無理するな』と言いつつ、
会社の発展を願い、

義父は、
『芳なら、やってくれる』と頷き、

義母は、
『むっちゃんと一緒に恩返しをするんだよ』

と、励ましてくれているようだ。
とはいえ、

やっぱりお盆にはお墓に行こう。
釧路のお寺さんにはお参りできないけれど、

せめて、
里塚にはね。

『お前は口ばっかりだな』
父が、顔を出してこないうちに………