うちの会社の朝会は、
大きな円になって行われる。

その形に大きな意味はない。
みんなの席が、部屋の端っこに円になってあるからだ。

私は、北側東端、
椅子の前にそのまま立つと、

書類棚に隠れて、
向かいの気遣いU君の顔が見えないので、

モゴモゴN社長の方に少し寄って立つ。

今朝も、
顔をクイッと上げたら気遣いU君の顔が見えた。

『あら、髪の毛を切ったのね。いいわよ。』
『はい、忙しくなって床屋さんに、

中々行けそうもなくなるので、
短くしました。』

向かいに見えた気遣いU君の髪の毛は、
格好良く短くなっていた。

『いいわよ、どんぐり見たい』
『どんぐり？』

『あ、褒めたのよ。』
円の向こう側で、とても褒め言葉とは思えない…

という声が聞こえたので、
『褒めたのよ！素敵だと…』

もう一度言った。
わかってはもらえたようだけれど、

自分でも例えが悪いな、
と少々反省したが、多分先日から【どんぐり】が、

頭にあったせいだ。
木の実の中で、

色々な木の実の総称を一つの言葉で表すのは珍しい。
北海道では圧倒的に、【ミズナラの実】だけれど、

樫の実でもどんぐりだ。
先日調べた木は、イングリッシュオークだった。

楢の木の仲間で、
樫の木の仲間でもある。

栗は、色んな栗があるけど栗は栗、
いがいがの中で美味しく実る。

なのに、
ドングリは楢の実も樫の実もどんぐりだ。

どうしてなのかしらと思っていたから、
気遣いU君を見て、思わず言ってしまったのだが。

本当に悪気はない。
昔から友人に、『あんたは本当にボキャブラリーが少ない』

と言われていたが、反省だ。

気遣いU君は、今日も一生懸命働いている。
寒さに向かって、

現場と残業と厳しい季節に突入だけど、
(しっかり頑張るぞ)の意志が見えそうな髪形だ。

やっぱり、どんぐりでは気迫が見えない例えだったわ…
が、、、、、、、しかし、、、、

ボキャブラリーが少ない私には、
例えが浮かばない…

うーん・ごめん、気遣いU君…
格好いいよ、ね！