うちの会社のモゴモゴN社長は、私の夫でもある。
賢い妻は、社内では社長と崇め、

家庭では、夫に仕えるのであろうが、
愚妻のため、

社内では、本音が先に出、
家庭では、疲れが先に出て寝る始末。

こんな私なので、
夫婦二人で仕事に行くのは苦手だ。

お客様も、『ご夫婦ですか?』
なんて気を使ったりしてくれちゃうので、

余計気詰まりなのだが、
昨日は色々あって二人で行くことになった。

行き先は市内、
バスとチンチン電車と徒歩の予定だったから、

車付きは有難い。
おまけに台風の影響で雨も降っていた。

喧嘩せずに楽しく行こうと心に決めて、
いざ出発！

車内で、
簡単に仕事の打ち合わせをしたけれど、

資料を見ながら出ないと、
理解しにくい内容だから、

途中でやめた。
資料を見ながらしない打ち合わせは、

思い込みが先行し、
喧嘩になる確率が高いから。

何事も経験がものをいう。

お客様のところでは、
私が主に話し、

モゴモゴN社長が足りないところを補う。

お客様も同世代ご夫婦とご兄弟だったので、
何と無く和やかに話は進んだ。

お客様がお役所の時は、
こちらが夫婦というのは双方かなり気を使うけれど、

お客様もご夫婦ご兄弟となれば、
たとえ話が硬い内容でも意外に良き効果もあるようだ。

仕事はスムーズに終了し、
『ありがとうございました!』とお暇した。

帰りの車の中、
『ありがとう、うまく行って良かったわ』

と素直な妻になったのもつかの間、
今はその喧嘩の内容も忘れてしまうようなことで、

言いあったけれど、
会社につく頃にはケロリとして、

『わあ、予定時間の半分以下だったわ』
もう一度ありがとうで車を降りた。

社長と専務が夫婦というのは、
中小企業ではありがちで、

社員は苦労をすると、
知っているから努力はしているんだけれど、

中々これが難しい。
『ただいま〜』

明るく挨拶した後は、
再びモゴモゴN社長と隣同士の昨日だった。

さて、
今日はモゴモゴN社長と若い社員が取材を受ける。

再来年に向けた求人用だ。
私は、脇役の予定、

ちょっと、ホッとしている自分がいる。