洗濯をしていたら、
愛知の娘からLINEが来た。

『地震、大丈夫？』
あら、地震があったのね。

うちは全く気がつかなかった。
この川沿というところは地盤がいい。

多分、
会社はもっと揺れていないはずだ。

昔々、父がまだ道職員だった頃、
この地に家を建てた。

どうして、
この地を選んだかは知らないが、

家を建てる時、
石がゴロゴロあって大変だったという。

会社は、その実家の隣に建てた。
父は、昔風の男の遊びを満喫した人だが、

経営感覚はしっかりしており、
『うちのお客様はお役所で、

こちらから出かけるのだから、
会社が街中にある必要はない。』

と、
札幌の南外れの川沿に作った。

南区そのものが高台だから、
水がつく心配もない。

土地代も安いから、
固定資産税も安い。

地盤がしっかりしているので、
木造でも大丈夫。

土地が広いから、車通勤はOKだ。

その分、雪かきと『ちょっと車の移動をお願いします』
が大変だけど、

それはコミュニケーションの良さと、
団結力でカバー。

街中で格好良く働きたい人たちには向かないが、
うちの仕事自体が、

格好良くとは行かないので、
社員たちはそれほど嫌ではないらしい。

目の前は、藻岩山で、
四季折々に癒される。

初雪の日、『手稲山に雪が積もっていたね』
と、私が言ったら、

『あれ、ここから手稲山が見えますか?』
と言われた。

『藻岩山に続いているのが手稲山じゃあないの？』
みんなは首を振っていた。

そっかあ、
藻岩山の他に手稲山も見えると言おうと思ったけれど、

それは違うらしい。
まあ、いいか…

兎に角、地震にも水にも強く、
安価で環境も良いところに、

会社を作ってくれた父に感謝！
と、雪の降る祝日に、

写真の中の父に笑いかけた。