私の細やかな夢は、
いつか、社員と家族を呼んで、

回転寿しを借り切ること！
『借り切ってどうすんですか？』

ビベロYちゃんが、素直に言った。
あのさあ、楽しいじゃない。

誰にも気を使わなくても良くて、
食べ放題。

社員やその子供たち、
お父さん、お母さん、おじいちゃんにおばあちゃん。

『いつもみんなに頑張ってもらって、ありがとうございます！』

と、
モゴモゴN社長が挨拶なんかしたりして、

家族連れはボックス席、
独り者はカウンター、『それ、俺が食べようと思ったのに！』

そんな声を聞きながら、
カウンターの中は、

職人さんが間に合わないくらい忙しい。

楽しいだろうなあ。
私は日本酒を飲んじゃおう。

『そうっかあ、二時間食べ放題ですね』
再びビベロYちゃんが言った。

私の妄想をわかってくれたかなあ。

何でそんなことを考えついたかわからないけれど、
残業夜食にお寿司を買ってくると、

みんなが喜ぶからかしら。

意外に美味しい生協の生寿司、
時間が遅くなると半額になったりするから買いやすい。

気遣いU君はサーモンが好き、
やっぱり、ウニは売れっ子か。

嬉しそうに食べているみんなの顔を見ていたら、
思う存分食べさせたくなっちゃった。

回転寿しって、家族の味、
大家族主義のうちの会社にぴったりだと思うんだけれど。

『いくらかかるんでしょうかね』
現実的なことを誰かが言った。

そうだね。
いくらかかるのかしら。

絶対やりたいと強く思えば実現するらしいから、
強く思うわ。

『むつみさん、N亭だったら広すぎるから、
Hまるがいいんじゃないですか』

気遣いU君も現実的だ。
そうだね。どっちにしようかね。

昼時や夕食時は難しいから、
2時から4時の間かしら。

社員とその家族が、
大騒ぎしながら回転寿しを食べる姿を想像しつつ、

今日もみんなの夜食を買いに、
出かけようかな、生協に。

夢は大きく、楽しくだ！