日曜日に降った雪で札幌は根雪になった。
昔は、降っては溶けを繰り返して、

『この雪で根雪だね』となったような気がするのだが、
近頃は、『突然ですが根雪です。』

と、ある日突然、冬になる。

日曜日もそうだった。
朝、目覚めて玄関のドアを開けたら、

真っ白い粉雪が積もっていた。
残念なような嬉しいような…

夫に『会社はまだ雪かきは必要ないかしら』
と言ったら、特に何も言わなかったけれど、

遅めの休日出勤をしたら、
そのまま、新しい除雪機に向かった。

今年は、除雪機を新調したのだ。
と言っても、メーカー品ではなく、

質実剛健の中小企業製品である。
夫ことモゴモゴN社長は、

新品の黄色い除雪機の仕様書を見ながらエンジンをかけ、
ブーンと雪を飛ばした。

それを見ていたラガーマンM君は、
『モゴモゴN社長、除雪機を動かしたんですね。

俺もどうしようか迷ったけれど、
まだそんなに積もっていないし、

やめたんですけれど。』
確かに、積雪は10センチほどで、

プラスチックの雪かきで、
すーと押せるくらいだった。

事務所の二階から下をみたら、
黄色い除雪機から粉雪が飛んでいた。

何だかモゴモゴN社長は、嬉しそうだった。

『古い除雪機も動かして見たぞ。
あっちも大丈夫だ。』

モゴモゴN社長が言った。
20年選手の青い除雪機は昨年、入退院を繰り返し、

すでに寿命が近いと言われていた。
『使えるまで使おう、二台あったらどうにかなるだろう』

モゴモゴN社長は、
愛おしそうに青い除雪機の雪をほろった。

今年は、真冬に仕事のピークがきそうだ。
除雪と仕事、雪国の宿命か。

と思ったが、
日曜日以来雪も降らず、

有難い事に除雪はしていない。

神様、仏様、
みんな、みんな、一生懸命仕事に励んでいます。

今しばらく、青い除雪機も、黄色い除雪機も、
使わずに済むように、

お守りください。
と、祈っている。