日刊せみなりーBLOG
お互い様だね。
更新日:2015/01/18
三女と孫、
そして夫との四人の楽しい夕食時、
モゴモゴN社長こと夫が、
モゴモゴ言った。
『え?何?なんて言ったの?
何言ってんのか、わからなかった!』
全くモゴモゴで聞き取れなかった。
『お父さんは、⚪⚪って言ったんだよ。』
娘が言った。
『ほらみろ、Mが聞き取れるんだから、
お前の耳が聞こえなくなったんだ。』
『違うわよ、Kのモゴモゴが酷くなったのよ!』
目くそ鼻くその喧嘩になった。
娘が、『私の方がお父さんの真向かいに座っているから、
わかったんじゃない』
と、仲介に入った。
全くこれでは、70代の夫婦の会話だ。
嫌になっちゃう。
もっとはっきりしゃべってよお!
と思いつつ、
会社での社員の会話を思い出した。
『ホンワカHさん、そんなことを言っていませんよ。
それは、聞き間違いですよ。
何だか、ホンワカHさんの耳、
むつみさんに近くなりましたよ。』
え?何?
その言葉ははっきり聞こえた。
ホンワカH君は、『え~ほんとお、困るなあ』
と言った。
ぎょ!
実は自分でもよく聞き返すと思っていたのだが……
会社の健診では、
聴力は異常なかった。
どうしたことだろうか。
何でも、一病息災のせいにしたくなる私。
まあ、社員たちは聞き返してもちゃんと答えてくれるが、
夫婦となると喧嘩の元だ。
夕食の喧嘩は娘の仲裁と、
孫の笑い声で、事なきを得たが。
言いたいことばかり歯切れ良く言って、
相手のことは『きこえなああい』では、
最悪だ。
ふと、右耳をポンポンとしてみる。
でも、まあ、夫婦とも毎年歳はとっている。
一年前と同じことはないはずだ。
そう言えば、自信のある歯切れ良さも、
『この頃、お母さんのさ行とた行、聞こえにくいね』
と娘に言われた。
人のことはわかるけれど、
自分の事は、分からない。
夫や娘だから言ってくれるのだ。
素直に聞かなきゃあ、
と反省しつつ、夫を見た。
そのグレーの髪に、お互いの年齢を感じた。
本格的初デイトから、38年だ。