日刊せみなりーBLOG
熊の思い出は…
更新日:2015/01/24
『今年の山には、木の実が少ないのかな。
マンションのナナカマドの実が、
ほとんど無くなっているのよ』
土曜の朝、三女に言った。
斜面に建っている、
メゾネット型マンションの我が家の居間の窓からは、
ナナカマドの実が目線でみえる。
今年は、鳥たちが、
あっという間に実を食べてしまった。
ナナカマドの実は、
美味しくないので食べるのは最後と聞いたことがあった。
三女は、『そうなのかな、
でも、今年は熊が出たとあまり聞かないから、
どんぐりは豊富だったんじゃない』
と言った。
確かに、一昨年の秋は真駒内まで熊が出て、
南区の住民は恐ろしい思いをした。
『あのさあ、クマのウンチには、
どんぐりや木の実の殻が入っているんだよ。』
私の頭は突然、
数年前にタイムスリップをした。
『え?!お母さん、見たこと、あるの?』
娘は信じていない素振りで言った。
『うん、ほやほやのウンチをね。
そのウンチをビベロYちゃんが踏んだの。』
『ええ!!!』『山の木の調査だったわ。』
それは、恐ろしい現場だった。
日高の山の熊の本拠地、おまけに熊出没頻繁地域。
ウンチは、
湯気が立つほど柔らかかった。
『熊の恐怖の方が先だから、
ウンチを踏んだということなんか、あまり気にならないのよ。』
街中で犬のウンチを踏んでも大騒ぎをするが、
ほやほやの熊のウンチは、
『俺は、ここにいるぞ!』の意思表示だから、
みんなで周りをキョロキョロ見回した。
そのウンチの中には、
木の実の殻や赤い実がたくさん見えた。
『大勢で調査していたから、
熊の方が隠れたんだろうけれど、
途中で、ママの力が尽きて、
急斜面を登れなくなって一人で斜面に残ったの。』
夫ことモゴモゴN社長が、
『ダメだ、出来る!登れ!』とお尻を押してくれたけれど、
雨上がりの急斜面で笹もなく、
私は登れなかった。
熊よけの鈴を鳴らしながら待った時間は長かったが、
『むつみさんが心配』と急いで調査を終えて、
迎えに来てくれたビベロYちゃんの優しさが忘れられない。
今年はどんな調査が待っているのだろうか。
山の木の調査は必ずある。
『熊のいる山で、動けないと言われたら困りますから』
と、私を連れて行く気はなさそうだが、
安全を祈って待つ身より、
参加した方が気が楽なような気もするが。
何より、熊と遭遇しないのが一番だ。
冬眠中のくまさん、
山に餌がいっぱい実る年になればいいね。