日刊せみなりーBLOG

奥沢水源地?

更新日:2015/01/28

うちの会社の取締役で特別顧問の中川絃穂は、
御年80歳の女性だ。

北海道庁で18歳から57歳まで働き、、
収用委員会の事務局長も務めた【働く女性】の先駆者だ。

高卒で道職員となり、
旧土木部で女性の管理職となったのだから、

並大抵の努力ではなかったろうと思うが、
無口な本人はあまり語らない。

中川は、
私の叔母であるが私は同じ働く女性として、

深く尊敬しているが、
叔母は努力だけではなく、才もあったと思う。

ただし、
その【才】は時として奇抜すぎて中々受け入れられなかったようだ。

よく講演もしていたが、
その叔母の【才】が語らせた有名な言葉がある。

【土木は芸術です】だ。

この言葉にはきっと一言では語れない深い意味があると思うが、
今朝、こういう事では?

と思う記事を読んだ。
フェイスブックの‘おたるくらし’という投稿だった。

そこには、
小樽にある【奥沢水源地】について書かれてあった。

大正3年に造られた水道用ダムだが、
28mのあまり高くない堤はそのすべてを土で覆い、

一部石積みが見えるだけ、
そして、21mの落差を10段にわけて下流に流すようになっている。

2011年まで使用されていたそうだが、
フェイスブックで見るその姿は、

ダムとは思えないものだった。
まさに【水すだれ】、

地元の小樽の人たちが、

‘ダム’ではなく‘水源地’というのが、
よくわかった。

大正の人たちは、
【土木は芸術である】という言葉の意味を知っていたのかもしれない。

いや、もしかしたら叔母が、
先人から学んだものかもしれない。

公共工事は色々言われているけれど、
基本は公共の福祉の思想であるはず。

そこに奥沢水源地のような考え方があれば、
きっと理解されるのではないかしら、

今度、叔母に会ったら話そう・・
と思ったけれど、叔母は偉大すぎるから、

ちょっと恥ずかしい。

叔母はいつまでも叔母で、
先日も娘たち夫婦の話やらを伝えたら、

『あんまり、口出ししなさんや』と忠告された。

中川の言う【土木は芸術です】を理解するには、
まだまだ勉強不足だけれど、

人が生きることを考えることが、
その芸術につながるんだよね!

とやっぱり聞いてみようと思う。

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