日刊せみなりーBLOG
思いって、いつか出てくるのよね…
更新日:2015/02/15
先日の室蘭出張の時、
室蘭への思いをブログにしたら、
室蘭から札幌に進出してきた若い建設会社の社長さんに、
『ブログ、読みましたよ。俺より室蘭を愛していますよ。』
と、言われた。
『そんな事はないと思うけれど、自分を育てた室蘭をどうするか、
頭の隅にいつもおいといた方がいいと思う。』
年上からの一言風に答えたら、
隣に座っていた室工大出身で会社を起業され、
今は、
その道では日本一と言われるまでにされた社長さんが、
大きく頷かれた。
若い社長さんは、『そうですね…そう言えば、
中野さんは小樽の事を一生懸命ですが、
小樽出身デスか?』と私に、言った。
話の流れからいくとそうなるが、
『違うのよ。それがね…』
長い話を短く言ったので、
お互い酔っている頭には、話は入ってこなかった。
中途で話は終わったが、
私の頭には、【小樽】と【室蘭】の二つが行ったり来たりして、
落ち着かなかった。
私は、数年前から、
[小樽の古い家の見かけはそのままにして、
中を変え、住居や店舗に生き返らせ、街を元気に永続させる]活動を、
している。
まだまだ、道のりは遠いけれど、
一歩一歩進んでいる。
この活動は、私にとっては、
【北海道のまちづくり】の一つであり、
伯母である中川特別顧問のいう所の『土木は芸術です』
にも繋がる考え方だが、
小樽出身でもなく、住んだこともない私が、
どうしてこうも、はまってしまったのだろうか。
それは、たった一回の小樽での経験のせいだった。
後輩の看護婦さんの親御さんの通夜だった。
小樽の坂にある古い町内会館で行われた通夜が終わり、
暗くなった外に出ると、
その小樽の佇まいは、その後輩のさみしさ、悲しさを、
すべて、包み込むようだった。
坂の両脇に隙間なく建つ古い家々、街灯、
遠くに見える暗い海、
そのすべてが優しく深く静かだった。
私は、
なんて良い街なんだろうと思った。
でも、その思いは心の奥にしまわれ、
二十数年後、一つの運動を始める力になった。
室蘭出身の若い社長さんに、偉そうに、
『頭の隅にいつもおいといた方がいいと思う』
と言ったのは、
そうするといつか行動に移す日が来ると思うからだ。
私は、北海道が好きだ。
仕事も、その北海道を暮らしやすく元気にする仕事の一端である。
でも、
一つ一つの街を本当に生き返らせるのは、
その街を愛する人たちの、
思いと行動しかないと思うのだ。
私もその一人として、
小樽、札幌、室蘭の力になりたいと思っている。